Mobile:NEWS 2003年2月4日 08:02 PM 更新

BREWでGPSを最大活用〜A5304TのNAVITIME

KDDIのBREW対応端末「A5304T」によって、大きく利便性が増すのはGPS機能だ。内蔵されたNAVITIMEのアプリケーションによって、地図を高速に描画。2.3型の大画面とも相まって、快適な“徒歩ナビゲーション”を実現する

 BREWに本格対応したKDDIの「A5304T」には、3本のBREWアプリケーションがプリインストールされている。コミュニケーションツールの「Team Factory」「ハートメール」。そして何といっても注目なのが、ナビゲーションソフトの「NAVITIME」だ。

 縮小・拡大・回転が自在な地図表示に加え、現在位置から目的地までのルートを表示して、徒歩での道も案内してくれる。電車、徒歩だけでなく渋滞情報を考慮した自動車ルートにも対応する。KDDIが自社でEZ@NAVIという地図コンテンツを提供しているにも関わらず、積極的にNAVITIMEをアピールしているあたり、優秀さが分かるところ。


「Javaより圧倒的にBREWだ」

 ナビタイムは現在3キャリアでサービスを提供しているが、内容には少々差がある。中でも最も期待されるのは、GPS機能を持ったau端末だ。

キャリアアプリGPS機能
auBREW
ドコモiアプリ(Java)×
J-フォン××

 しかし、実はGPSケータイでのNAVITIMEアプリケーションの提供は2機種目。電子コンパス内蔵の「C3003P」以来となる。


BREW版NAVITIMEの起動のようす。数ステップで地図が表示される。起動直後はBREWに組み込まれたHTMLブラウザにサーバから取得したHTMLのデータを表示し、その後BREWの地図アプリケーションが立ち上がる。サーバ側のHTMLを書き換えることで、容易に機能強化が図れるようになっている

 「Javaより圧倒的にBREWだ」とナビタイムジャパンの大西啓介社長は話す。NAVITIMEにとってBREWの利点は大きく2点ある。

 まずは速度だ。“サクサク感”を重視する同社にとって、速度は非常に重要な要素となる。「同じCPUならJavaの5倍以上速い」と大西氏。実際にA5304Tに触れてみると、そのレスポンスの良さに驚く。スクロールは実に高速だが、「速すぎて止められないので、わざと遅くしている」ほどだという。体感的にはアプリケーションプロセッサ上でJava版を動かすのと同程度だ。

 高速なのはアプリケーションだけではない。BREWではWAPのゲートウェイを通らずに、サーバに直接アクセスできるためデータ転送も速い。ezplus(Java)ではHTMLファイルを表示する際に、WAPのブラウザと切り替えていたが、「BREWではHTMLブラウザもランタイム化されている。1つのアプリケーションの中に、ブラウザと地図ビューワが両方入っている」(大西氏)ため、描画も高速だ。

 ezplusに比べて機能面でのアドバンテージも多い。「地図では塗りつぶしを多用するが、Javaには塗りつぶし命令がない」(大西氏)。また今後予定されている自律式のGPS機能を使うには、BREWが必須だと言う。


地図の拡大縮小も回転も容易。2.3型という大型の液晶と相まって、実用的な地図表示が可能

進化続けるNAVITIME

 大西氏は「(NAVITIMEの)機能は行き着くところまでいった。今は、いかにユーザーが求めるコンテンツを入れていくか」だと話す。

 1つは、カフェや居酒屋、駐車場の位置情報提供だ。「今いる場所から近くのカフェはどこか。どうやって歩いていったらいいか──」。こんなニーズがかなりあると大西氏は言う。しかし出退店の頻度が高いのも、こうした店舗の特徴だ。ナビタイムジャパンでは、スターバックスやコインパーキングのリパークと提携し、毎月1回最新の店舗の位置情報の提供を受けており、提携企業は20数社におよぶ。正確な店舗地図がほしいナビタイムと、店舗に誘導してほしい店舗側のニーズが合致した格好だ。

 また徒歩ナビゲーションも強化される。現在、東京23区と大阪、名古屋に限られる、横断歩道や歩道橋の地図情報が、3月には政令指定都市すべてに拡大されるという。

GPS機能を生かすなら、A5304T

 GPS機能はau端末の大きな特徴だが、それを最大限に生かせるのがA5304Tだとも言えるだろう。既にC3003Pは出荷が終了。BREWを使った高速な地図表示を活用できるのはA5304Tだけだ。

 BREW専用のアプリボタンが設けられ、それを長押しするだけでNAVITIMEが起動するのもありがたい。

 なおA5304Tの場合、最初にアクセスした日から30日間は無料でNAVITIMEを利用できる。また、地図の表示に限ってはずっと無料となっている。


左下に設けられたアプリボタン。短押しで右の画面──BREWのメニューが立ち上がる。長押しすると、NAVITIMEが直接起動する



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関連リンク
▼ ナビタイムジャパン
▼ BREW 日本語紹介ページ

[斎藤健二, ITmedia]

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