Mobile:NEWS 2003年4月17日 08:50 PM 更新

データ通信端末としての「J3002V」(2/2)


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気になるアンテナ位置、送受信能力はどうだ

 本機をPCと接続してデータ通信を行う場合に気になるのがアンテナの位置。ヒンジ部側のアンテナ配置はトレンドだが、端末を机上に置いた場合にアンテナを立てることができない。一般的に考えればアンテナはより垂直に近いほうが電波の送受信には有利なはずだ。

 そこで筆者がAirH"端末のチェックに利用しているカフェで、チェックを行ってみた。ここではDDIポケットでは音声通話はぎりぎりという電波状態で、最も奥では完全に圏外となる。この中ほどの位置でチェックした。

 比較に用いたのは、アンテナがカバー側にあり机上においてもアンテナを立てることができる「KX-HV210」と、CFタイプでアンテナ内蔵のデータ通信専用端末「AH-H401C」だ。「J3002V」はアンテナを伸ばし、机上に置いた状態と同じ位置でアンテナが90度になるように手で保持した状態とし、「KX-HV210」はカバーを90度開けてアンテナを伸ばした状態とした。

 電波受信状態は通信ソフトから「AT@K」コマンドを用いて確認した。「J3002V」の場合机上に置いた状態では1つの基地局しか捕捉できず、アンテナを90度とすると3〜4局補足できるという状態。やはり机上に置くとアンテナが立てられない点がデメリット。アンテナを立てられる「KX-HV210」は安定して3局を捕捉している。

 アンテナ内蔵となる「AH-H401C」でも1局しか捕捉できず、「J3002V」を机上に置いた状態はほぼ同程度。一般に音声端末はアンテナの存在からカード端末より電波送受信では有利とされているが、本機の場合机上にポンとおいてしまうとそのメリットはほとんどないともいえる。


左からJ3002Vを机上に置いた状態、アンテナを垂直にした状態、KX-HV210、AH-H401C。J3002Vが特に感度が悪いということはないが、やはりアンテナが寝た状態と垂直状態での違いは大きい

 では実際の送受信速度はどうだろう。ここでは「KX-HV210」は料金プランの都合上32Kパケット接続が行えないので除外し、「J3002V」の2つの状態と「AH-H401C」での比較とした。ISPに「@nifty」を利用して32Kbpsパケットで接続し、複数回ずつ測定して最も良好な結果で比較している。

 結果としては「J3002V」をアンテナが垂直になるよう保持した状態が最も高速で、次が「AH-H401C」、「J3002V」を机上に置いた状態が最も遅かった。少なくとも電波状態が悪い場所では「J3002V」はアンテナが立つ状態にして利用したほうがよさそうだ。


左からJ3002Vを机上に置いた状態、アンテナを垂直にした状態、AH-H401C。基地局の補足状況がそのまま通信速度にも反映されている

データ通信端末として独自の魅力

 筆者はこれまで音声通話とEメール送受信用に「KX-HV210」、PCやPDAでのデータ通信用に「AH-H401C」の2つの端末を使い分けてきた。音声端末は、PDAでのAirH"利用が面倒ということと、長時間のデータ通信に不安があったからだ。128Kbpsパケットをサポートしないという点も無視できない。

 「J3002V」では、少なくともPCと組み合わせての長時間のデータ通信は問題ないし、専用の通信ケーブルも不要なので導入コストも低い。カード型端末よりは確かにかさ張るのだが、同じ基本料金で音声通話も単体でのブラウザ、メーラーの利用ができるというメリットもある。

 現状では「J3002V」はPDAでのインターネット接続には利用できない。

 ただし、単体でブラウザ、POP3/SMTP対応のメール機能を内蔵しているため、PDAとは機能がかなり重複する。PIMをインターネット上のASPサービスに切り替えることでPDAの利用そのものをやめてしまうという選択肢もあるだろう。高機能なサービスでは、Outlookと同期したり、スケジュールのアラームの代わりにEメールを送ってくれるようなサービスもある。

 PDAでも利用する、128Kbpsパケット通信が必須という人にとっては選択肢となり得ないだろうが、「J3002V」はノートPCでのモバイルインターネット接続手段として独自の魅力をもった製品だ。



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[坪山博貴, ITmedia]

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