Mobile:NEWS 2003年5月19日 08:28 PM 更新

専用LSIなしでMPEG-4圧縮伸張〜A5401CAに採用

携帯電話の動画処理は、専用チップか別途アプリケーションプロセッサを搭載するのが主流だ。ところが、A5401CAに採用されたテクノマセマティカルの技術を使うと、ベースバンドのQualcomm製チップだけで高速に圧縮伸張が行えるという

 テクノマセマティカルは5月19日、カシオ計算機製のau向け端末に、同社のMPEG-4圧縮伸張ソフトウェアが採用されたと発表した。通信に使われるベースバンドチップだけで、動画の圧縮伸張を行っているという。

 auのムービー端末は、Sub-QCIF(128×96ピクセル)サイズ、15fpsのMPEG-4動画を録画・再生できる。そのために、これまでは動画処理用のチップが必要とされていた。東芝製端末には再生専用の「T3D」が、日立や京セラ製端末には「SH-Mobile」が、ソニー製端末にも専用チップが入っている。

 A5401CAは動画処理用のチップを搭載しておらず、通信用のMSM5100(Qualcomm製ベースバンドチップ。コアはARM7/33MHz相当)で動画の圧縮と伸張を行う。同社によると「従来の3分の1から5分の1の時間で処理が行える」。

 低速CPUで処理が行える理由は、テクノマセマティカルが開発したDMNA(Digital Media New Algorithm)というアルゴリズムにある。数式を変換して演算を簡易化し処理を高速化するもので、画質の劣化などは起こらない。「三角関数、対数関数、指数関数を変換して効率を上げている」(同社)。映像の場合、DCT(離散コサイン変換)や動き検出、ハフマン符号化などに効果があり、オーディオ系の処理にも対応できるという。

 ソフトウェアはマクニカ ブリリアント テクノロジー カンパニーが販売を請け負い、CPUに応じたバイナリの形で提供される。「ARM系CPUはかけ算が弱いため、かけ算を減らすよう変換した」と、CPUに応じた変換も行っている。DSPへの対応も可能だ。

 同社は数学的手法を用いたアルゴリズムを専業とする。DMNAは、これまで業務用機器では採用実績があったが、民生向け商品に採用されるのは初めて。



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[斎藤健二, ITmedia]

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