ここまで来た、TV電話FOMAすべてTV電話に対応した新FOMA3機種は、連続待受時間が伸びただけでなく、大きさ・重さの面でもかなりPDCに近づいた
ドコモが発表したTV電話対応FOMA3機種は、「ついにここまで来た」と感じさせる端末だった(6月16日の記事参照)。
まずは重さだ。
新しい2102Vの2機種は、PDCの最新機種「505i」よりも軽量。「N2102V」は、なんとストレート型の「T2101V」よりも軽い。容積は98ccしかない。その上、連続待受時間も200時間を超えた。手に持っても、「大きく重かったFOMA」の印象は既にない。 「TV電話付きで、このサイズはかなり小さい」と言うドコモの言葉も素直に納得できる。
新しい2102Vシリーズ共通の特徴は、またもiモーションの新形式が登場したことだ。最初のiモーション端末「N2002」がASF形式だったのが、2051/2102VではMPEG-4(動画)/AMR(音声)のMP4形式に変更された(2002年12月の記事参照)。さらに新しい2102Vでは音声にAACのサポートを加える。 ドコモによるとAMRのビットレート12.2Kbpに対し、AACは24Kbps。AACを使うと音質がかなり向上するというが、従来機では再生できなくなる。 基本的には、2051シリーズの後継機となるため、iモード周りの基本機能は従来を引き継ぐ。PDCでいう504i相当だと言う。
富士通製の「F2102V」は、重さを抑えながら“パーツ2個遣い”が面白い。ツインCCD(33万画素/11万画素)、ツインライト、デュアルスピーカー(フロント/リア)を搭載した。外部メモリとしてminiSDカードに対応したのも魅力的だ。
機能面では、スケジューラを中心としたPIM機能のシンクロ機能が搭載された。PCのOutlookとの同期が可能で、接続はUSBケーブルで行う。F2102Vを充電するクレードルにはUSB端子が備えられており、市販のUSBケーブルでPCと接続できる。「クレードルに載せればPCとシンクロ可能」という、PDA的な使い方が可能になっている。 OSなどは開かされていないが、メニュー周りなどはSymbian OSを使った「F2051」(2002年12月の記事参照)を引き継いでいる。
NEC製の「N2102V」は、109グラム、99CCという小型軽量ながら、TV電話に対応した端末だ。背面にはFOMA初となるカラー背面液晶を搭載(1インチTFT、6万5536色)。カメラこそCMOS×2(32万/11万)だが、コンパクトにまとまったボディは魅力だ。
特徴的な機能としては、「スピードフォトメール」機能がある。これは電話をしている最中に、画像をメールで送れる機能だ。「パケット通信と音声通話を両方できる、FOMAならではの機能」(ドコモ)。 もう1つ、ピクチャボイス機能は静止画に後から音声を録音してメールで送信できる機能。仕組みは、静止画を使ったiモーションメールだ。作成したファイルは「動画」のフォルダに入るので、少々戸惑った。
富士通製の「F2402」は、FOMA2機種目となるデータ通信カード(2001年10月の記事参照)。違いは大きく4つある。
最大の特徴は、これまで64Kbpsだった上りの通信速度が384Kbpsに高速化されたことだ。据え付き型の端末では、「F2611」が既に上り384Kbpsを実現しており(2002年4月の記事参照)、今回の端末にもノウハウが生かされているという。 FOMAが採用しているW-CDMA方式は、最大2Mbpsの通信速度が可能とされている。通信速度を上げられない理由は、利用できる電波幅と消費電力にある。上り方向のパケット通信速度が64Kbpsだったのは、主として「消費電力の問題」(説明員)。通信速度が6倍になったからといって消費電力も6倍になるわけではないが、「若干だが上がっている」と言う。
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