Mobile:NEWS 2003年6月30日 06:40 PM 更新

無線機能を強化〜Pocket PC 2003 日本語版

日本でも対応デバイスが続々登場するPocket PC 2003。開発上の目標はワイヤレス体験の向上とユーザーニーズへの対応だという。自動的に無線LANを感知してつなぐ機能を備え、フォトビューワなどの新ソフトも搭載された。

 マイクロソフトは、Pocket PC 2002の後継となるWindows Mobile 2003 Software for Pocket PC 日本語版(以下Pocket PC 2003)をハードウェアメーカーに提供開始した。Windows CE .NET 4.2をベースに開発され、.NET Compact Frameworkの実行環境が標準搭載される。海外では「Windows Mobile」という通称だが(6月24日の記事参照)、日本では「Pocket PC 2003」になるようだ。

 Pocket PC 2003搭載端末は、NECインフロンティア、カシオ計算機、東芝、日本ビクター、日本ヒューレット・パッカード、富士通から発売される予定。

無線LANエリアに入ると自動で接続

 Pocket PC 2003の特徴の1つは、無線環境の強化。セキュリティを考慮した802.1x(2002年6月18日の記事参照)をサポート。また無線LANエリアに入ったタイミングでネットワークを自動的に検知して、容易に設定/接続を行える「ゼロコンフィグレーション機能」も搭載された。複数の無線LAN環境下でも、任意のネットワークをポップアップから選択可能だ。


無線LANエリアに入ると検出されたネットワークが表示される

 Bluetoothもネイティブでサポート、これまで各メーカーが独自の組み込みで対応していた器機間の通信やActiveSyncの利用がOSレベルでサポートされた。

内蔵アプリケーションを強化

 搭載アプリケーションも強化が図られている。WebブラウザのPocket Internet Explorerはアーキテクチャを変更、今後主流になるという見込みからXHTML Basic(用語参照)のものに再設計された。CSSやHTML4.01、WML 2.0、アニメーションGIFにも対応、リッチなWeb表現が可能になったという。

 Pocket Outlookは、翌日スケジュールの表示や複数メールアカウントの表示に対応した「Today」、SSLやPOPクライアントに対応した「受信トレイ」、終日予定の場所表示やvCalenderをサポートした「予定表」、vCardをサポート、すべてのアクションをハードウェアキーボードで操作可能な「連絡先」など、細かい点が改善されている。

 PCとの同期用ソフトActiveSyncも3.7にバージョンアップされ、メールやスケジュールなどの情報更新頻度が高い時間と低い時間で同期の頻度や内容をカスタマイズできるようになった。マイクロソフトによれば近いうちにWebからダウンロードが可能になるという。


曜日ごとの同期頻度のカスタマイズが可能なActiveSyncも3.7

フォトビューワを標準装備、Windows Media Player 9のコーデックに対応

 Pocket PC 2003で新たに搭載されたのが、画像参照用のビューワ。サムネイル表示やスライドショー機能を備え、表示させた画像の任意の部分を拡大表示したり、Today画面に設定することができる。


フォトビューワのインタフェース。画像はToday画面に設定したりメール送信したり出来る

 Windows Media Player 9は、WMP 9の音声/ビデオコーデックをサポート、コンテンツをスムーズに切り替えられる「ファーストスタート機能をサポートした。コンテンツ配信サーバが帯域幅の状態に応じてビットレートを変化させるマルチプルビットレートに対応している場合は、Pocket PC 2003クライアント側で対応しているため、最適なビットレートでストリーミングコンテンツを閲覧できる。


Pocket Internet Explorer(左)、Pocket Internet ExplorerWindows Media Player 9のインタフェース(中)と、変換候補が表示されるようになった手書き入力ソフト(右)


Plus! シンク&ゴー機能でPCとPocket PC間のコンテンツを同期可能。

Pocket PCを自動設定できる「CABプロビジョニングフォーマット」

 Pocket PC 2003では、管理者側に便利なAPIとして「コンフィギュレーションサービスプロバイダ」を提供する。これはPocket PCのPPPやVPN、プロキシなどの設定情報を自動化する仕組みで、管理者は、クライアント側の設定変更の際には、各種設定を記述したセットアップ用XMLファイルをCAB化してメールやメモリカードでユーザーに配布するだけで済む。設定のクリアも可能で、管理工程を大幅に削減できるという。



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Pocket PC 2003(Windows Mobile 2003)には大きな進化こそないものの、接続性はかなり向上している。ワイヤレスネットワークを利用したいという人には、「買い」と言ってもいいだろう。

[後藤祥子, ITmedia]

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