「いよいよ、FOMAでテレビ」〜アクアキャストに聞くFOMAにおけるモバイルマルチメディアサービスの一つ「M-stage Vライブ」の動向を探る。第2回は、モバイル向け映像配信のアグリゲータであるアクアキャストを取材した。
「僕らは、モバイル分野におけるビジュアルポータルを追求します」と話すのは、アクアキャストの清水真社長。同社は、FOMAの「M-stage Vライブ」のサービスプラットフォーム「Member’sチャンネル」を利用して、オリジナル映像ポータル「メディアキャスト」を運営する。 衆議院と契約し、モバイル向けの国会生中継を行ったり、渋谷FMのスタジオ内の模様をライブ中継するなど、「Vライブ」の特性を生かしたライブ映像配信。ほかにもケータイWOWOWが所有するコンテンツをアーカイブ映像としてVOD(ビデオ・オン・デマンド)型で提供するなど、FOMA端末に向けた映像配信の新しい試みにチャレンジする。 「僕たちは通信も放送にも精通したスタッフが集まり、ビジネスモデルを作りやすいポジションにあった」と清水氏は言う。
現在、「メディアキャスト」に設置されているチャンネル数は30以上。ニュース、スポーツ、芸能などさまざまなメニューがそろう。これを各チャンネル、月額料金200〜300円で提供するが、今後は従量制、例えば24時間限定で50円といった価格帯のコンテンツも用意する予定だ。 7月中には35チャンネル程度追加し、夏中に100チャンネルまで増やしたい考えだ。今年中に200チャンネル達成を目標としている。視聴者は現状、男性が9割、女性が1割程度。年齢層としては24歳くらいから38歳くらいがほとんどで、30歳を超えたところがピークだという。 ヒット数が高いコンテンツはニュース。また、アイドル系や芸能コンテンツも引きが強く、ユーザーのニーズにマッチしたと見られる。最近エンタテインメント系コンテンツプロバイダーからの引き合いが増加傾向にあり、タレントやアイドルが、ファンに向けてプロモーション的なビデオレターを配信するなどの企画が進行中だ。 一方、テレビ放送局からは物販系の話を持ち込まれることが多く、映像で何かモノを見せて販売するようなMコマースの分野も今後対応していく計画だという。
「コンテンツプロバイダ側からすれば、ドコモの動画配信サービスというと『M-stage visual』、『iモーション』、そして『Vライブ』と三つが同時に走っているので、どれに着手したらいいのかというところが見えにくいかも知れない。しかし映像配信の品質の良さ、リアルタイムな映像配信、より多くの情報量を流せる点など、『Vライブ』はほかの動画配信サービスと比較してメリットが多い。対応端末が少ないというデメリットも、今後FOMA端末がすべてビジュアル端末になることで払拭される。これを機に、より多くのコンテンツブロバイダーの参入を期待したい」と、技術企画部の井出次長は期待を話す。 また、清水氏は「FOMAで何ができるの? 電話ができるよ。という問答では、現状と何ら変らない。ユーザー側もPDCからFOMAへ移行する動機が見つけられないままとなってしまう。通信が高速となったところに僕たちはハイエンドな映像コンテンツを送り込み、市場に変革を起こしたい」とビジョンを語った。今後の展開が注目される。
グラビアアイドル(左)/ テレビ東京bbサテライト(右)
国会審議中継(左)/ スポーツ(右)
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