Mobile:KEYWORD 2003年8月4日 05:26 PM 更新

テレメトリング【てれめとりんぐ】

メーターの検針や自販機の在庫管理などのデータを通信で飛ばし、巡回の手間を省く──。人からモノへと通信利用が拡大する中で注目を集めているのがテレメトリングだ。

 テレメトリング(telemetering)とは、「通信(Telecommunication)回線」を使って、「計量器(mater)」の計量値を読み出す仕組みのこと。実際にはデータの読み取りだけでなく、機器の動作監視や遠隔制御にも利用されるが、どちらかといえばモニタリングやリモートコントロールは主目的でなく、テレメトリングという用語が使われる。

 テレメトリングの代表的な使用例としては、自動販売機の販売情報管理、走行中の車両運行管理、電気・ガス・水道などのメーターの自動検針、無人駐車場の課金装置の管理などが挙げられる。最近はネット上から一部の駐車場の空き状況を知ることができるが、これも入庫・出庫情報がテレメトリングによってリアルタイムに管理されているからである。

 テレメトリングの最大の目的は業務の効率化だ。例えば自動販売機の売り上げ情報(在庫・つり銭)やガスメーターの検針などは、従来は人がひとつひとつ巡回して、確認を行っていた。ここにテレメトリングを利用すれば、電話網を通じて在庫情報を把握できるため、「確認のためだけ」の巡回を省ける。また、深夜など人材の確保が難しい時間でも対応が可能になる。

 テレメトリングは当初、一般加入電話網が使われていたが、PHSの登場によってその活躍の場が広がった。屋外の自動販売機のように、電源の確保は可能だが通信回線が引けないようなケースは非常に多く、低消費電力で小型化の可能なワイヤレス機器は、こうした用途にうってつけとなる。携帯電話でもDoPaなどのパケット通信がテレメトリングに使われている。

 PHSや携帯電話のテレメトリング用回線は、一般用途に比べて無通信である時間が長く、設備の有効利用が可能なことから、月額基本料が安く設定されている。当然利用できる端末は限られ、申し込み時に利用内容についての審査が行われる。


テレメトリング利用イメージと、ドコモのテレメトリング対応の9600bpsパケット通信端末「DoPa Mobile Ark 9601P」(ドコモサイトより)



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