Mobile:NEWS 2003年8月18日 02:56 PM 更新

Interview
CLIEはどこへ行くのか?(2/3)


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 「仕事で情報デバイスを利用する場合に、無線LANは欠かせない存在になっています。会社はもちろん、各所のホットスポットが増えており、自宅への無線LAN導入も進んでいますから、無線LANの内蔵は情報機器として自然な流れでしょう。無線LANの帯域があれば、よりリッチなコンテンツへのアクセスも可能になります」

 無線LANはBluetoothに比べると、消費電力は大きめです。内蔵することに関して、障害はなかったのですか?

 「無線LANの内蔵は、CLIEの事業を始めた初期段階から考えていました。以前は消費電力の問題もあって搭載しませんでしたが、現在は1ワット程度にまで消費電力が下がってきています。プロセッサとは異なり、無線デバイスの省電力化は難しいのですが、今後は1ワットという数字をより小さくしていきたいと思います」

WANへの接続は“内蔵”で提供予定

 もっとも、現在のPDA市場を見ると、CF TYPE IIスロットを搭載していないPDAは、あまり注目されないか、あるいは低い価格設定の製品しか受け入れられていません。これは、PHS通信カードを用いたコミュニケーション能力がないPDAをユーザーが求めていないということではないでしょうか?

 「われわれはUX50で扱いやすいキーボードとノートPCライクなスタイルを、これだけの小さく軽量なボディに収めることができました。これにCFをつけるというのは、小さなデバイスを開発しているベンダーとして、すごく大きな抵抗感があります。サイズが大きくなってしまうと、シャープのザウルスにそっくりになってしまいますし、UX50では小型化の追求を徹底しました。それにサイズを犠牲にしてCFを付けても、PHSだけのためにしか役立ちません」

 とはいえ、その“PHSだけのため”にCFを欲しているユーザーも多い。SDカードならばPHS通信カードもありますが、メモリースティックにはそれも存在しません。UX50ユーザーは無線LANの使えない場所では、どのような手段で通信すればいいのでしょう?

 「メモリースティック型のPHSは、もちろん技術的には可能性はありますが、自分たちだけで解決できる問題ではありません。もちろん、PHSキャリアや機器ベンダーとの話はしていますし、(話し合っている)相手も興味を持ってくれています。しかし、PHSは日本だけでしか使えません(註 : 正確には台湾、中国もあるが、市場としてはまだ小さい)。日本だけの市場規模では実現が難しいという側面があります」

 これがGSMが使えるエリアならば、豊富にBluetooth内蔵携帯電話がそろっており、UX50の構成でも大きな不満はないでしょう。ところが、日本では現行品として売られているダイヤルアッププロファイルをサポートしたBluetooth内蔵携帯電話/PHSは、NTTドコモのパルディオ633Sぐらいしか存在しません。

 「Bluetoothでダイヤルアップを行える機器としては、ハギワラシスコムが発売しているB-Portという、PCカード型通信カードをBluetooth経由で使うデバイスもサポートする予定で、これによってWAN接続の可能性が広がるでしょう。現時点では正式なアナウンスは行っていませんが、相互運用のテストさえ終えればサポートします。ただ、われわれは究極的にはWANを内蔵するのが最も良い方法だと思っています」

 携帯電話のネットワーク方式が異なることや、携帯電話自身の高機能化などもあって、ワイヤレスWAN内蔵PDAは日本ではごく限られた製品しか存在しませんでした。勝算はあるのでしょうか?

 「もちろん、ワイヤレスWANを提供する企業と話をすることはできませんし、超えなければならない壁は低くありません。しかし、これまで登場した製品は、電話機ベンダーが開発したもの、もしくはPDAメーカー自身が開発したものしかありません。ソニーは両方のノウハウを持っていますし、他社にはない独自の製品を出せるとは思います」

 「勝算ですか? 確かに、これまでのワイヤレスWAN内蔵PDAや携帯電話型PDAは、あまり売れていません。それらにソニーブランドを付けても、やっぱり売れないでしょう。(しかし)ソニーが作るとなれば、全く異なる新しいものになります」

 ワイヤレスWANへの接続デバイスを内蔵したCLIEは、実現に向けて前へと進んでいると考えていいのでしょうか?

 「はい。これまでは他にやらなければならないことが多く、取り組むことができませんでした。今やワイヤレスWANへの接続デバイスを内蔵していないPalmライセンシーはわれわれだけです。WAN内蔵へと進むことは、自然な流れだと思います」

Palm OSを使い続ける理由

 ソニーはCLIEに独自のユーザーインタフェースやアプリケーションを、少しづつ実装してきました。UX50を見ると、元々のPalm OSが持っている機能をそのまま利用している部分もありますが、独自に作り込んだユーザーフロントエンドの部分がかなりの割合を占めるようになってきています。

 しかし自分たちでソフトウェアを作っていくのであれば、何もPalm OSにこだわる必要はないでしょう。他のプラットフォームを利用する、あるいは自社OSを採用するといったアプローチもありえるのでは?

[本田雅一, ITmedia]

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