Mobile:NEWS 2003年9月19日 07:56 PM 更新

「いよいよラスト3%」〜FOMA基地局展開はこうなる

既に人口カバー率96%に達するFOMAのサービスエリア。残り数パーセントを効率よくカバーしていくため、低トラフィック地域向け基地局や、屋内向け小型基地局、光ファイバーを使ってアンテナを張り出す装置などを開発した。

 9月末には、人口カバー率96%に達するFOMAのサービスエリア。ドコモは、新型基地局を投入することで、さらにエリアを拡大していく計画だ。

 ドコモは9月19日、記者向け説明会を開催。「いよいよFOMAネットワーク完成の時期。ルーラルなところや屋内など、ラスト3%に最重要で取り組んでいかなくてはならない」と、ネットワーク本部長の石川國雄常務は話した。


石川氏がたびたび強調したのが、「FOMAはPDCよりも早いペースでエリアを拡大している」点だ。人口カバー率99%に達するまでに、PDCでは5年かかったが、FOMAは2年で達成。屋内基地局も、3000カ所(施設)に達するのにPDCでは8年かかったが、FOMAは3年で同数をカバーする予定だ。もっとも、800MHz帯のPDCに比べて2GHz帯という高周波数帯域を使うFOMAでは、建物内への浸透率が低いことがたびたび指摘されている。つまり同じように屋外に基地局を建てた場合、PDCならビル内でも使えても、FOMAの場合は使えない場合がある。屋内のカバーはFOMAにとっては必須要件ともいえる

人口密集地は既にカバー。低トラフィック地域が課題

 東京23区など人口密集地のエリアカバーが終わり、FOMAのエリア展開は低トラフィック地域や、地下、屋内など、ラスト3%にさしかかった。

 石川氏は「ラスト3%のところをしっかりやるのが手間暇かかる」と話す。都心ならば、基地局一つで何万人ものユーザーにサービスが提供できるが、山間部などでは同じように基地局を設置しても、利用数ユーザー数は非常に少ない。同じようにコストをかけていては、効率が悪い。

 そんな地域のために新しく開発したのが、屋外向け小型基地局「BS2007」だ。大きさはデスクトップPC程度、完全防水でアンテナ用の支柱に直接設置できる。価格も従来の基地局の10分の1程度に抑えられる。

 同様に、サイズとコストを抑えて屋内向けに開発した基地局が「BS2006」だ。簡易型IMCSとも呼び、後述のMOF装置と組み合わせることで、ビルや地下などに電波を送れるようになっている。従来の基地局の収容人数が数万〜数十万なのに対し、BS2006は数千人となっている。


FOMAスタート時には標準基地局「BS2001」だけだったが、まずコストはそのままで容量を4倍に増やした「BS2003」を開発。BS2003の技術を応用する形で、コストを10分の1程度に下げた小型基地局「BS2006」(屋内用)、「BS2007」(屋外用)を開発した

基地局名大きさ重さ特徴
BS2001900リットル310キロ容量数万〜数十万
BS200628リットル15キロ容量数1000人
BS200735リットル38キロ完全防水

大きいのが「BS2001」、小さいのが「BS2006」

アンテナを光ファイバーで遠隔地に設置

 ドコモによると、FOMAがカバーするビルや地下施設は2003年度で1600カ所。「関東甲信越の地下鉄駅は約330カ所あるが、PDCでは6カ所を除いて使えるようになっている。FOMAではまだ270カ所だ」(石川氏)。これを2004年度にはPDCと同等の3000カ所まで広げる。そのための武器が、光ファイバーを使ってアンテナだけを遠くに設置するMOF装置だ。

 通常、基地局とアンテナは同じ場所に置くが、MOF装置(Multi-drop Optical Feeder:光伝送装置)を使うことで、アンテナだけを別の場所に設置できる。「基地局は一カ所で、アンテナと子機は複数設置する」(ドコモ)ことで、基地局の数を増やさずにニッチな場所をカバーできるようになる。


MOF装置を使ったアンテナ張り出しのイメージ。基地局は大きなビルに設置し、小規模ビルなどに光ファイバーを伸ばす。光ファイバーの先に小型アンテナを設置することで、大がかりな装置を必要とせずエリアとすることができる。実際の接続は、基地局−MOF装置親機−光ファイバー−MOF装置子機−小型アンテナ となる


MOF装置には2種類ある。2キロ程度とそれほど光ファイバーの距離を伸ばせない「高出力MOF」と、20キロ程度と長距離に対応する「長距離MOF」だ。光ファイバーではアンテナが受けた信号をアナログ伝送する。さらに距離を伸ばすため、デジタル伝送する仕組みも検討しているという。一つの親機からは16〜18機の子機MOF装置を接続できる。右は、MOF装置子機に接続する小型アンテナ。数十センチ程度の大きさだ



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関連リンク
▼ ドコモ ニュースリリース

[斎藤健二, ITmedia]

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