CF+SDスロット搭載のコンパクト、iPAQ h2210を試す(3/3)まずは内蔵のWindows Media Player 9 for PocketPCで再生できるWMVファイルだ。Pocket PC向けプロフィルで作成したファイルはもちろん、1000Kbpsといった高いビットレートのファイルでも音声の途切れもなく再生できた(動きの激しいシーンでは4〜5fps程度までフレームレートが落ちてしまうが)。MicroDriveのような大容量ストレージがあれば、PC用にエンコードしたファイルをそのまま持ち出して再生、といった使い方も不可能ではない。
Windows Media Playerも9シリーズになった。Windows Meida Audio9/Video9ともにサポートし、コマ落ちなの問題はともかく、PC用に作成した動画ファイルもそのまま再生できるのは大きなメリット DivVは再生にPocketMVPを利用してみたが、Dr.Divxのポータブルプロファイル(600Kbps)をベースに、画面サイズを320×240に設定したファイルはコマ落ちもほとんどない。筆者がよくPC向けで利用する、448×336ドット、1Mbps可変ビットレートのファイルも、コマ落ちがあるのははっきりとわかるものの、実用といえる範囲で再生可能だった。 ものは試しと有線LANで筆者宅のBフレッツでFletsスクエアに接続し、Windows Mediaでのストリーミング再生も行ってみたが、500Kbps程度までならば十分実用的に再生できた。クレードルで接続した状態でも同様に問題なくストリーミング再生が行えたので、PCの脇において充電を兼ねつつビデオプレイヤーとしての利用もできる。 残念ながら手元に動作可能な無線LANカードがなかったので、無線LAN接続時の検証はできなかったが、ホットスポットならPDA向けの貧相な動画コンテンツではなく、PC向けのリッチな動画コンテンツを現実的に楽しめそうだ。 動画再生能力とは少し離れるが、内蔵スピーカーの音量が十分なのも魅力だ。この点は初代iPAQからの良き伝統といえ、ヘッドフォンを使わずともモノラルでよければちょっとしたBGMプレイヤーとしても十分利用できるし、ビデオプレイヤーとして利用する場合にもメリットは大きい。ヘッドホン出力のトーン調整ができるなど、モバイルオーディオプレイヤーとしての利用も考慮している点も嬉しい。
ヘッドフォン出力は低音強調、高音調整という形でトーン調整ができる。インナーイヤーヘッドフォンなどでは低音が足りなくなりがちなので、非常に気の利いた機能だ。実際その効果も大きかった
h2210は例えばこれまでのiPAQが保ち続けた質感といった部分では、少々魅力が失われた感がある。前面カバーは艶消し塗装となって少々プラスチッキー感じがあるし、デザイン的にも少々iPAQらしさが失われていると思う。 反面コストパフォーマンスは抜群だ。CF+SDスロット、さらにBluetoothまで内蔵して直販価格は3万9800円。PDAとして高いか安いかはともかく、Pocket PCとしては抜群にコストパフォーマンスは高い。画面サイズが3.5インチと4インチクラスの製品と比較すれば小さめだが、本体がその分コンパクトなのだからこの点は納得がいく。 付属ソフトも国内メーカー品と比較すると少なめだが、この点は同価格帯になるGENIO e350なども同様だ。PIM+インターネット端末としては必要最低限の機能はOSとして備えているのだから、大きな不満を持つこともないだろう。
付属ソフトで目立つのは、Today画面に表示可能な世界時計「WorldMate」と「iPAQ Backup」。「iPaq Backup」はジャンルごとのバックアップも可能で、定期的な自動バックアップまでできる。あくまで実用重視だ iPAQらしさ自体は薄らいだが、コンパクトで2スロット、さらにBluetooth内蔵と、これまで小型化とハイブリッド化を得意としていた国内メーカーのお株を奪った形で、価格も非常に魅力的だ。モバイルインターネット利用まで視野に入れてPDAの購入を考えている人は、現時点では真っ先に候補に入れていい製品といえるだろう。
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