Mobile:NEWS 2003年10月7日 01:19 PM 更新

三洋、地上デジタルテレビ対応のW-CDMA端末

三洋電機は、地上デジタルテレビが閲覧できるW-CDMA/GSMおよびCDMA2000 1xの端末を開発。ブース内に地上デジタルテレビ放送の放送局を設置し、実機上で放送を見せている。

 三洋電機はCEATEC JAPAN 2003の展示ブースで、地上デジタルテレビ対応のW-CDMA/GSM端末を参考出展した。ボーダフォン向けの「V801SA」をベースとし、ブース内に設置した試験放送局からの電波を受信して表示している。


QVGA対応のTFT液晶を備えた地上デジタルテレビ対応W-CDMA/GSM端末。横向きにしてQVGA液晶の全画面でテレビを閲覧できるほか、内蔵のメモリに録画することも可能

 同社は、8月にCDMA2000 1x端末をベースにした地上デジタルテレビ対応端末の試作機を公開しており(8月8日の記事参照)、今回はベース機種を追加したのがポイントとなる。両機種は通信方式のほかに、ディスプレイがTFT液晶か有機ELかの違いもある。テレビ再生部分に大きな違いはない。

 地上デジタルテレビ部分は、ダイバーシティ受信とダイレクトコンバージョン方式を採用したのが特徴。背面に棒状のアンテナを備えるほか、イヤホンマイクのコードをアンテナとしてダイバーシティ受信する。

 課題としては、消費電力とアンテナ技術が挙げられる。現状連続テレビ視聴は90分程度となっており、商品化には低消費電力化が急務だ。アンテナは「UHF帯すべてをカバーするアンテナが必要」(三洋)だと言う。


 なお、CDMA2000 1xベースの端末はKDDIも同社ブースで展示しており、「モバイル向け放送がいずれ始まることを見越して、CDMA2000 1xで受信できる三洋製端末を展示した。テレビ放送と連携したビジネスモデルの構築はこれからだが、まずは携帯にテレビが乗るということをユーザーに伝えたい」(KDDI)と説明した。

地上デジタルテレビ向けのコンセプトモックも

 三洋電機は、地上波デジタルテレビ対応に向けて技術開発を進めると共に、“テレビを見るのに適した形状”の研究も行っている。

 「地上デジタルテレビ カジュアルタイプ」と名付けられた端末のコンセプトモックは、トリプルヒンジ機構がポイント。通常の折りたたみ型のようにディスプレイが開閉するだけでなく、左右に回すことで、机の上に置いたまま、横向きの画面でテレビを閲覧できるようになっている。また通話マイク部には、回転式のCCDカメラも備えた。


カジュアルタイプ。2.5インチという有機ELディスプレイを搭載しているのも特徴。この有機ELパネル自体も参考出展

 「地上デジタルテレビ スタイリッシュタイプ」という端末は、ヒンジが見えないスライド型。ダイヤルキー上部にカラーのサブディスプレイを備え、テレビを見ながらWeb閲覧やメールが利用できる。テレビボタンを備え、簡単にテレビへの切り替えが行える。


こちらも有機ELパネルを搭載している



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[斎藤健二, ITmedia]

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