Mobile:NEWS 2003年10月17日 04:40 AM 更新

“動画を携帯に”〜新たな取り組み始める各社(2/3)


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端末機能に関する、キャリアの考え方が変化

 背景にあるのは、もちろん液晶の高精細・多色・大型化とMPEG-4再生機能の標準搭載といった端末の進化だ。しかし、キャリアが端末のあり方について、考え方を変えてきている点が大きい。

 ボーダフォンのテレビ内蔵携帯「V601N」(10月15日の記事参照)もそうだが、最近の端末は通信に関係ない機能でも盛り込んでくる傾向にある。

 ボーダフォンのグリーン社長は「ハンディライトやカメラなど、いつも持って歩きたいとは思わない機能でも、携帯に付いているのであれば便利」だとし、今後はこうした付加価値サービスの勝負になっていくと話している。付加した機能が直接通信料の増大に結びつかなくても、ユーザーが端末や通信キャリアに忠誠心を感じてくれれば長期的に見て利益となるという判断だ。

 FMラジオ内蔵端末「A5503SA」を投入するKDDIも、ラジオやテレビと積極的に関わることで、コンテンツの利用を促進できるのではないかということを考えている。今、ラジオで流れている楽曲の「着うた」や着メロの購入ボタンを設けることで、放送をテコにして通信料も増やす狙いだ(9月24日の記事参照)。

 一昔前なら、「無料の放送を携帯で視聴できるようにしたら、通信料が減る」という懸念を持つのが普通だったが、それも変わってきた。ラジオ内蔵端末を投入するKDDIの高橋誠コンテンツ本部長も、テレビ内蔵端末を出すボーダフォンのグリーン社長も、無料の放送にパケット通信量を減らす影響はない、という認識だ。

 “動画などリッチコンテンツを3Gで”──これを合い言葉にしていたキャリアだったが、最近では「最高のリッチコンテンツはテレビなど放送」という声さえ聞かれるようになってきた。

 通信に関係ない機能を端末に入れ込むことが、キャリアのビジネスにうまくつながっていくのかどうかは、これからの進展を見守る必要がある。しかし、動画などのリッチコンテンツの携帯利用は、明らかに新しいステップに突入しつつある。

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謎の残る、ドコモの動き

 ボーダフォンやKDDIが“放送と通信の融合”に積極的なのに対し、行方が見えないのがドコモ。

 KDDIとボーダフォンが、このように放送メディアの取りこみに積極的なのに対し、少し動きが見えない。当初からiモードに関わり、50xシリーズや年明けのFOMA端末の主幹も務めるiモード事業本部の夏野剛企画部長は、ラジオやテレビの搭載を「お茶を濁すサービス」と形容しており(9月25日の記事参照)、放送メディアを内蔵しての連携は意識していないようにも見える。

 今後も同様のスタンスなのかどうかは分からないが、モバイル向け地上デジタル放送の開始のタイミングまでには、携帯キャリアは何らかの方策を打ち出してくる必要があるのではないだろうか。

[斎藤健二, ITmedia]

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