Mobile:NEWS 2003年10月17日 11:39 PM 更新

“動画を携帯に”〜新たな取り組み始める各社(1/3)

動画を携帯に持ち込む動きが再び盛んになってきた。単なる動画を提供するのに代わり、1)テレビを録画して見る 2)着メロの延長として 3)メールに動画を添付する というやり方が増えてきている。ポイントは、どうも動画や放送に関してキャリアの考え方が変化してきていることだ。

 “携帯で動画”は第3世代携帯電話によって本格化すると、古くから言われてきた。キャリアも3Gサービスを始めるにあたり、動画をキラーコンテンツとして位置づけた。

 しかし、当初の動画配信サービスは成功したとは言い難い。映画のCMや、15秒程度のショートムービーを配信──といったサービスが当初提供されたが、通信コストの問題もあり、素直に動画をダウンロードさせるだけではうまくいかないのが見えてきた。

 では、動画をどうやって携帯に持ち込むか。現在進められているやり方は次の三つがある。

  • メモリカードから再生する動画
  • 着メロの延長としての動画
  • メールに添付する動画

 今後の携帯動画の展開を占う上で、面白いのが「メモリカードからの再生」だ。メモリカードに関する状況を考えると共に、着ムービー、動画メールの状況をまとめてみたい。

もうじきEV-DOサービスを発表するKDDIは、「動画のちょっと面白いサービス」としばしばコメントしている。またドコモも「3Gでしか動かないiモーションにプラスしたイケてる」サービスを提供すると話している(6月11日の記事参照)。3Gの普及に伴って、各社はさらに新しい動画サービスを提案してくる模様だ

メモリカードから再生する動画

 通信を使った動画サービスと異なり、(おそらく)端末メーカー主導で進められているのが、メモリカードを活用した動画サービスだ。

 テレビやビデオなどの家電でメモリカードに動画を録画し、携帯電話を動画ビューワとして使うもの。ここでは全くといっていいほど通信が発生しないので、キャリアが積極的に推進するとは考えにくい。携帯電話を家電のネットワークに組み込もうとする、端末メーカーの動きだと考えるほうが自然だ。

 例えば、ソニー・エリクソンの「A5404S」はメモリースティックDuoスロットを備え、テレビ「ベガ」で録画した動画を再生することができる。パナソニック モバイルの「P2102V」や「P505i」も、同社のビデオデッキ「DIGA」で録画したテレビ番組を再生可能だ。シャープの「V601SH」も、液晶テレビ「AQUOS」で録画した画像の再生に対応する(10月16日の記事参照)。

 映像をメモリカードに録画して端末で見るという動きは、ドコモの「M-stage visual」対応端末「eggy」が登場した頃から、ユーザーの間で草の根的に存在したが、最近では端末メーカー自らが積極的に推進するようになってきた。

 これは、2005年をめどに開始が予定されているモバイル向けの地上デジタル放送を見据えた(7月10日の記事参照)動きだと考えられるだろう。変調方式にOFDMを使うことで移動しながらでも受信品質が落ちにくい──つまりモバイル機器に適した放送とされている地上デジタル放送は、家電業界にとっても新しいマーケットとして期待できる。

 モバイル向けのテレビ受像機としては、やはり携帯電話が最有力。技術面以外にユーザーの慣れを促し、マーケットを探る意味でも、今から“携帯でテレビを見る”という文化を根付かせる狙いが見て取れる。

前のページ | 1/3 | 次のページ

次々登場する独自MPEG-4フォーマット

 携帯で録画したテレビ番組が見られるのはいいのだが、問題はフォーマットが多種多様なことだ。各社共に“MPEG-4”をうたっているが、一口にMPEG-4といっても相互に互換性がないのは、ご存じの通り(6月23日の記事参照)。

 携帯電話業界では、ISOのMP4をベースとして3GPPが定めたMobile MP4が標準となりつつあるが(6月10日の記事参照)、その中でも音声コーデックが違う上、各社がMP4に独自拡張を施しているため、互換性は少ない。

 その上に登場してきたのが、家電メーカー各社が推進するMPEG-4だ。家電からメモリカードにMPEG-4で録画して、携帯で再生……というところはそっくりだが、これがまた互換性がない。シャープとパナソニックはSD-Vide──つまりいにしえのASF。ソニーのモバイルムービーはMP4準拠の“独自形式”だ(モバイルムービーの仕様参照)。

 携帯電話(各キャリア)、家電(各メーカー)、PCとそれぞれ微妙に異なるフォーマットが並んでしまった。これらは、すべてがPC上でそのまま再生できるわけでもない。著作権のカラミもあり、相互に変換できるソフトウェアも(ほぼ)ないのが現状で、ユーザーにとって極めて扱いにくい。キャリアやメーカーの思惑に踊らされている状況だ。

 もっとも、これに加えてMicrosoftのWMV(9月16日の記事参照)や、RealNetworksのRealPlayerが勢力を伸ばしている欧米に比べれば、日本はまだマシともいえるのかもしれないが……。

[斎藤健二, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページ | 1/3 | 次のページ



Special

おすすめPC情報テキスト

モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!