さらに完成度を高めた「A5501T」(2/2)またA5304Tまでは存在しなかった静止画の画質設定にはファインモード、ノーマルモード、これにメールモードが準備される。メールモードは、VGAやメガピクセル撮影でも100Kバイト以内まで圧縮してEメール送信を可能にするものだ。ただしメガではファイン、ノーマルモードでは大体100Kバイトを超えるので、メールモードでは圧縮率が上がり画質は素人目に見ても目に見えて劣化している。
静止画撮影サイズは4通りで、VGA、メガでのみ画質の設定も可能になった。画質をメールモードに設定すればVGA/メガでも確実にEメールで送信可能になる
使い方にもよるが、メガで普通に撮影してメール送信時に100Kバイト以内に再圧縮してくれるほうが実用的かもしれない。日常的にメールモードを利用するのは画質的に抵抗を感じるからだ。 またメガやVGAで撮影した画像は縮小表示のみとなり、画面一杯に表示できない。この点はせっかくのQVGAディスプレイがもったいない、というのも正直な印象だ。 メール送信時に「フォトメール便」を選択するだけで送信先のドメイン名を変更し、フォトメール便として送信してくれる。
本機はminiSDカードに対応しており、本体メモリに保存した静止画・動画をコピー・移動したり、直接記録することもできる。フォルダ内一括だけでなく、複数選択して移動も可能だ。 miniSDカードへの直接記録は少々変わっている。miniSDカードが装着されている場合には静止画のVGAとメガ(1184×880ピクセル)、動画の全画面(QVGA)は自動でminiSDが記録先になる。これ以外は直接miniSDに記録できない。逆に、miniSDが差さっていない場合は本体に保存される。 これはminiSDに保存された静止画、動画はEメールに添付できないといった点を考慮したものだろうし、Eメールで送信する可能性の高いサイズは本体メモリに記録というのは理に適っている。miniSDカードを効率よく利用するという意味ではよく考えられたロジックだ。 例外的に撮影直後のEメール送信を指定すると、記録先がminiSDカードになっている設定でも記録先が一時的に本体メモリになる。使い勝手という意味では便利だが、少々分かりにくい動きだ。本体メモリとminiSDカードの閲覧が機能として分離していることもあり、撮影した画像が本体メモリに保存されているのか、miniSDカードに保存されているのか混乱する可能性もあるからだ。
電話帳などの基本的な使い勝手はA5304T譲りだ。電話帳は数字キーによるショートカット([2]キーを押すたびに、か・き・く・け・この先頭アドレスに移動する)に対応しており、少ないキー操作で目的のデータを呼び出せる。複数条件、部分一致でも検索できるマルチサーチも登録がうろ覚えのデータを読み出すのに便利だ。 発着信履歴から電話帳検索を行い、登録されたEメールアドレスにメールを送信するといった連携もできる。受信メールのEメールアドレスから電話帳検索も不可能ではないが、こちらはEメールアドレスをコピーし、マルチサーチを利用する必要があり手間だ。ソニー・エリクソン製端末の「EVメール」のようにもう1歩高度な連携が行えてもいいのではないだろうか。 日本語入力は予測変換を備えた「モバイルRupo+AI」。基本的にはA5304Tのものと大きく変わっていないようだが、予測変換では[<<][>>]キーで候補ウインドウにフォーカスが移り、そのまま[<<][>>]キーで選択ができるようになった。従来は候補選択には上下左右キーを利用する必要があったので、余分に指を移動させる必要がなくなった。予測候補の選択中でも上下キーで通常の漢字変換に移行し、左右キーでは予測変換対象の文節長が変更できる。
ただページスクロールがちぐはぐな点は変わっていない。Eメールでは左右キーでページスクロールなのに対し、EZWebでは[<<][>>]がページスクロールになる。EZWebでは左右キーが「戻る/進む」として機能するといった従来からの機能割当ての問題はあると思うが、なんらかの形で統一を望みたいところだ。 操作に対するレスポンスも概ねよく、使用していて大きくストレスが溜まるといった感じは受けない。サムネイル表示の対応、動画圧縮時間の大幅短縮でA5304Tで感じられた不満も解消された。 少々派手な色使いを除けばデザイン的にはベーシックで操作系もオーソドックスだが、着実に完成度を高めている端末だ。一風変わった機能にも感じる静止画や動画のテレビ表示機能も、メガピクセルでの静止画やQVGAでの動画撮影を、PCを介すことなく楽しめるという意味では実用的かつ便利な機能といえる。
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