Mobile:NEWS 2003年10月6日 09:15 PM 更新

新6機種投入のau、“歩行者ナビ”と“デザイン”がポイント

新機種6端末を発表したauの冬モデルの特徴は、“歩行者向けナビゲーション”と“デザイン”。「A55xx」シリーズ3機種では、半自律型GPSを使い、カーナビのように動作する歩行者向けナビ「EZナビウォーク」を実現。オートフォーカス付き200万画素カメラ搭載機やFMラジオ内蔵端末もお目見えした。

 KDDIは10月6日、“ヒトナビ”対応端末(10月6日の記事参照)や、FMラジオ内蔵端末(9月24日の記事参照)、オートフォーカス付き200万画素機(10月6日の記事参照)、デザイン志向モデル(10月6日の記事参照)など計6機種を発表した。

機種名メーカーEZナビウォーク画素数特記発売日
A5501T東芝100万動画テレビ出力可能、miniSDカード10月下旬
A5502K京セラ100万+11万回転型、miniSDカード2004年1月
A5503SA三洋31万(CMOS)FMラジオ搭載12月上旬
A5403CAカシオ200万オートフォーカス対応、miniSDカード、USBクレードル12月上旬
A5404Sソニー・エリクソン130万メモリースティックDuo、録画した番組を閲覧可12月上旬
INFOBAR三洋マルチメディア鳥取31万ストレート型デザイン志向11月初旬



INFOBARについてはこちらの記事参照

 いずれも特徴ある端末群で、全機種がアプリ+GPSに対応。いわゆるハイエンド端末だ。2003年度に入ってから、4月、5月、6月、8月とドコモを抑えて単月シェアトップを取っているauは(9月5日の記事参照)、この新機種群で引き離しに入る考え。

 au事業本部長の中野伸彦氏は、「今期は純増の4割を取りたいと申し上げた。まだ9月の分は確定していないが、上期で純増シェアの41%を取っている」と好調さをアピール。さらに、「40%が見えた次は何なのか。近々EV-DOの端末・サービスも発表する。それを元に、新規のシェアの30%を取っていきたいと思っている」と、今後の営業的な目標を話した。

“歩行者向けナビ”でGPSにテコ入れ

 A55xxシリーズが対応する歩行者ナビゲーション「EZナビウォーク」によって、au端末のGPS機能は第2段階を迎えたことになる。

 auプロダクト統括部長の牧俊夫氏は、「3Gのサービスで最初に考えたのは、ムービーとGPS。ムービーは順調に伸びてきているが、GPSについては(ソリューション経は伸びているが)ムービーに比べると今ひとつ」だと、GPSにテコ入れが必要だったことを明かす。

 伸びなかった理由として、牧氏は 1)お金がかかること 2)時間がかかること 3)取扱いが面倒なこと を挙げた。従来のGPSケータイは、位置測位を行うたびに通信が発生し、数円の通信料のほか十秒程度の時間がかかっていた。

 これらの課題をすべて払拭するのが、新サービス「EZナビウォーク」だ。常に自分の位置を表示しながら、目的地に案内してくれる──まさにカーナビが携帯に入ったものだと考えればいい。牧氏は「GPSは3Gサービスのキラーと言っておきながらまだキラーになっていない。これをキラーにしていきたい」と自信を見せた。


“手の平にカーナビ”を実現するEZナビウォーク。地磁気センサー(電子方位磁石)を備えた「A5502K」では、ユーザーが向く方向に地図が自動的に回転する「ヘディングアップ」機能も備える

 メニューに用意された「自宅に帰る」は秀逸だ。メニューから「EZナビウォーク」を選び「自宅に帰る」を選択。すると、まず始めに現在の位置の測位が始まる。最初の1回目はこれまでのGPSケータイと同じく、サーバアシスト型であるため、少々時間がかかる。同時に自宅に帰るための電車の経路が検索され、最寄り駅が決まる。続いて、現在位置と、最寄り駅までの道順が地図上に示される。

 本領はここからだ。ユーザーが歩くと、数秒に1回の頻度でGPS測位を行って新しい位置を調べる。これは、GPS衛星からの電波を端末が直接受け取って調べる、カーナビのようなやり方だ。Qualcommが開発したMS-Basedと呼ばれるもので(2002年8月の記事参照)、速度が高速なほか通信を行わないため料金もかからない。

 ユーザーがルートに沿って歩くと、地図も自動的にスクロールする。要所、要所ではバイブレータが振動すると共に「100メートル先を左方向です」などと、音声で案内してくれる。ルートから外れた場合も、リルート機能により、その場所からのルート案内が再開されるという。

 EZナビウォークの利用には月額200円、道路交通情報も利用するには月額300円が必要。初回利用時から15日間は無料で利用できる。

BREW2.1を搭載。今後QRコードに力を入れる

 アプリケーションプラットフォームとしては、JavaからBREWに主軸を移していくことが再確認された(7月18日の記事参照)。今回の6機種の中でも、一部機種がJava対応で、初期のEV-DO端末もJavaにならざるを得ないと言うが、基本的にはBREWに統一していく。

 BREWのバージョンは世界に先駆けて2.1に対応した。1)カメラを起動して撮影できる 2)2Dスプライト/3Dポリゴン対応 3)データフォルダへのアクセス などが特徴で、ファイルサイズも「アプリとスクラッチパッド合計で300Kバイトまで増やした」(牧氏)。

 EZナビウォークや「A5503SA」のFMラジオはBREWで制御されており、例えば「A5403CA」もMS-Basedに対応しているがBREWが利用できないためEZナビウォークが利用できない。

 またカメラの活用法として、QRコードに力を入れていくことも説明された。今回発表した機種の中では、「A5502K」だけがQRコードの読み取りに対応している。

メガピクセル画像のメール送付が可能に

 今回の6機種では、INFOBARとFMラジオ付き「A5503SA」を除く4機種が100万画素以上のカメラを搭載した。この4機種では、メガピクセルで撮影した画像をメールで送信できるよう「メールモード」を搭載した。

 メールモードとは「撮影サイズを100Kバイトに圧縮して送る」もので、「L版に印刷するのにぎりぎりあらが目立たない程度」の画像がメール送信できる。


夏に発表した「A1000」シリーズと、冬の「A5000」シリーズで、auのラインアップが構成される

 ハイエンド機5機種を発表したauだが、年内にはさらにCDMA2000 1x EV-DOの発表も控えており、持ち玉に困らない状況だ。



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▼ ニュースリリース

[斎藤健二, ITmedia]

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