Mobile:NEWS 2003年11月27日 08:14 PM 更新

進化するSIMカード〜セキュリティはお任せ

国内ではあまり馴染みのないSIMカードだが、複数のキャリアや端末が存在するGSM圏では極めて一般的。端末などに関係なく、データをセキュアに保持できるため、SIMを使った個人認証の仕組み作りが盛り上がってきている。

 GSM圏では必須装備であるSIMカード(用語)。国内でも、3GPPの3G──FOMAやVodafone Global Standardで「USIM」(用語)として標準化されており、今後利用者数の急拡大が見込まれる。

 一般的には、SIMを差し替えることで同番号のまま、複数の端末を利用できるのがメリット。しかし、ここ数年、個人情報管理チップとしてSIMを活用しようという動きが盛り上がってきている。

端末とSIMで役割分担

 「携帯電話端末とSIM(ICカード)の役割分担が起こっていくだろう」──。そう話すのは、日本ジェムプラスの吉村晋一氏(テレコム事業本部コーポレートマーケティングディレクター)だ。

 ジェムプラスは世界トップのICカードベンダー。国内外含めてSIM(USIM)カードの提供も行っている。

 金融系や決済系など、さまざまな機能を取り込み始めた携帯電話。しかし、端末はあくまでインタフェースを提供する媒体であって、個人管理などのセキュリティを司る部分はSIMカードが担っていくだろう──というのが吉村氏の考えだ。

 ドコモのようにFeliCaを携帯に搭載(10月27日の記事参照)しても、「これは端末自体を認証している。ユーザーが端末を変えると、データや個人情報を(容易には)移せない」(吉村氏)。個人を認証するという観点からは、どの端末でも差し替えるだけで利用できるSIMカードのほうが優れていると話す。


主にGSM圏では、Java端末とJavaカード(Javaが動作するSIM)の役割が分担されていくという。SIMを利用していないCDMA圏や、3GでUSIMを利用していてもキャリアごとの思惑がある日本では、また状況は異なる

JavaアプリとSIMが連携〜JSR177

 個人認証や決済などにSIMを活用する具体的な方法としては、端末上で動くJavaアプリとSIMを連携させるための「JSR177」という規格がある。Javaアプリの課金方法やデジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)の手段として、SIMを使おうというものだ。SIMはJavaが動作するJavaカードを使う。

 Javaアプリは多くの場合、端末レベルで認証を行っており、例えば端末を変更した場合にはJavaアプリを移動させることができない。SIMを使って認証を行うことで、アプリにポータビリティを持たせたり、詳細な時間課金など課金方法も柔軟に行えるという。

 「JSR177は端末とJavaカードを連携させるための仕様。次のJavaのステップだ。本当のサービスプラットフォームができあがる」(吉村氏)

 JSR177を使うことで、JavaカードへのアクセスをJav言語を用いて記述でき、アクセス方法も一般化される。2003年10月に標準化が完了し、「少なくとも欧州では」2004年度から対応端末が投入されるという。


JSR177は、Java端末からJava言語を使ってSIMカードの個人情報にアクセスするための仕様。「Nokiaなどは積極的」(吉村氏)

個人認証機能を共通化

 SIMを使った個人認証の枠組みとして、複数のキャリアが共通の認証機能を利用するための仕組み「T2R(Trusted Transaction Roaming)」も進められている。

 キャリアや端末が異なっても、コンテンツプロバイダが同一の仕組みでSIMを使った認証が行えるようにしょうというものだ。Gemplusのほか、OrangeやVodafoneもプロジェクトに参加しており、キャリアに依存しない個人認証環境となる可能性がある。



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関連リンク
▼ 日本ジェムプラス

[斎藤健二, ITmedia]

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