Mobile:NEWS 2003年12月4日 10:38 PM 更新

「FOMA+無線LAN」デュアル端末は「構内PHS」の後継

ドコモが開発表明した「FOMA+無線LAN」デュアル端末。この端末の位置付けは、屋外では通常のPHSとして、屋内では構内PHSとして内線のように使える、事業所コードレスシステムの次世代版だという。

 ドコモが来春をめどに商用化を目指す「FOMA+802.11bの無線LAN」のデュアル端末(12月2日の記事参照)。この端末は、どのようなニーズの元に開発されたのだろう。

事業所コードレスシステム「パッセージ」の進化版

 ドコモが開発表明で明らかにしたデュアル端末の主な用途は「FOMAの音声通話」と「VoIPを使った内線電話のような利用」「Webブラウザを使ったイントラネットへのアクセス」の三つだ。

 音声通話と内線電話としての利用なら、内線電話としての利用が進んでいるPHSでもまかなえる部分。消費電力面から考えても、PHSのほうが優位だ。実際ドコモはPHSを、構内PHSとしても利用可能にする事業所コードレスシステム「パッセージ」を提供している。

 C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2003のドコモブース説明員によれば、デュアル端末は「進化したパッセージ」という位置付になるもようだ。ドコモの音声用途のPHSは2002年6月以降(2002年6月20日の記事参照)、新端末が発表されておらず(WRISTOMOを除く)、三つ目の用途として挙げられた「イントラネットへのアクセス」には力不足な感がある。802.11bなら11Mbpsの高速通信が可能でWebブラウザを使ったイントラネットアクセスにも向いている。VoIPを使って内線電話のように使うことも可能なため選ばれたようだ。


C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2003のドコモブースに参考出展された「FOMA+無線LAN」のデュアル端末試作機。端末の先端部分に丸い赤外線ポートのようなものが付いているが、「『N2051』(1月17日の記事参照)ベースで開発した名残りで特に機能があるわけではない」(説明員)

 現段階では公衆無線LANエリアでの利用は想定していないといい、050番号のIP電話への対応は「現段階では考えていない」(説明員)。無線LANは会社や病院、工場、倉庫など社屋が広い場所での通話やイントラネットアクセス用途と考えてよさそうだ。「IPソリューションと組み合わせて利用したいなら『FOMA+無線LAN』という提案ができるし、内線電話だけならパッセージを選べるなど選択肢が増える」(説明員)。

 製品化に向けた最重要課題として挙げられたのは「バッテリーの持ち」。FOMAと無線LANのデュアルモードともなれば、待ち受け時のバッテリーの持ちがどうなるのかが気になるところだ。試作機の待ち受け時間は明らかにされておらず、製品化で目指す数値も明かされなかった。


デュアル端末の利用イメージとシステム構成図


デュアル端末を横から見たところ。ちょっと厚めだ



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関連リンク
▼ C&Cユーザーフォーラム
▼ パッセージ

[後藤祥子, ITmedia]

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