Mobile:NEWS 2003年12月5日 02:50 PM 更新

本気のFOMAにBluetoothも搭載?〜ドコモ、立川社長

2004年の早い時期に投入が予想される次世代FOMA。「将来のマーケットとして大きくなりそうなのはモバイルEコマースだ」というドコモの立川敬二社長は、端末に非接触ICやRFIDの機能を入れていくと話した。Bluetoothもテレビ電話のヘッドセット用途で搭載される可能性があるかもしれない。

 C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2003におけるNTTドコモ、立川敬二社長の基調講演は、おなじみの「ドコモ2010年ビジョン」(10月9日の記事参照)で幕を開けた。

 ドコモのビジョンは「Mobile Multimedia」(モバイルマルチメディアの推進)、「Anytime, Anywhere, Anyone」(いつでも、どこでも、誰とでも)、「Global Mobility Support」(グローバルにサポート)、「Integrated Wireless Solution」(ワイヤレス技術でソリューション)、「Customized Personal Service」(個々人の情報生活支援)の頭文字をとったMAGICを合言葉に、いろいろな利便性をユーザーに提供していくことだと立川社長は説明する。

 この中から具体的な当面の戦略として掲げているのが「音声から非音声へ」「動くもの全てへ」「国内から海外へ」の三つ。「今後の社会をどう便利にするかに注目しているわけだが、これを当面は第3世代で実現していきたいと考えている」(立川氏)

 こうした戦略を強力にバックアップする高機能なFOMA(11月17日の記事参照)は1月にも出荷準備が整うもよう(12月4日の記事参照)。「重さは100グラム程度にはなる。待ち受け時間は300時間以上、カメラは高画素が採用されテレビ電話ができる」。また端末はまだまだ進化するといい、「まだ始まったばかりだが、地上波デジタル放送(12月1日の記事参照)。デジタルテレビとデジタル携帯端末とは親和性があるから乗せることも当然考えられる」と地上波デジタル放送対応端末の登場に期待を持たせた。

 FOMAでは「普通の携帯電話型だけではなく、PDAやカードタイプ、車や自販機に組み込むタイプを用意している」というから楽しみなところ。特に車載端末については「今、約7000万台で、今後約1億台になるだろうと想定される。これに端末機を付ければそれだけの数(の端末の需要が)でてくる」と、今後注力する方針だ。

注目はモバイルEコマース

 立川社長が今後大きく成長すると見ているもう一つの市場が携帯電話を使ったモバイルEコマース。「人間の商取引は1年間に約270兆円。この決済をどうするか。今は九十数パーセントがキャッシュで支払われているが、『いちいちキャッシュなのかな』ということにもなる。クレジットカードはまだ7%くらいしか普及していないと聞いている。こういう中で、将来的にはいかにキャッシュレス社会をつくって、より便利にするかが重要」

 携帯電話を使ったモバイルEコマースについて、ドコモはモバイルFeliCaを搭載していく計画を明らかにしている(10月27日の記事参照)。

 Eコマースで携帯電話をうまく活用できないかということで、「いろいろな機能を搭載している。あるいはこれから搭載するものもある」と立川氏。ここで挙げられたのが「二次元バーコード」「赤外線」「非接触IC」「RFID」「Bluetooth」だ。

 二次元バーコードと赤外線は既に搭載されており、「あとはこれをいかに使っていただくかという問題」。非接触ICについては、2004年度の中頃にはFOMAとPDCの両方で数機種商用化していくことが明かされている(10月27日の記事参照)。RFIDについても、「タグをいろいろなものに付けることによって、コントロールが可能になったり所在が明らかになるので使えるようにする」と話す。

 Bluetoothは、決済としての例は挙がらなかったが、テレビ電話用途での利用が考えられると説明。「今、テレビ電話では、端末と耳の間はケーブルで引っ張っているが邪魔だ。Bluetoothでイヤホンとの間を接続するということも基本的に可能になる」。搭載の有無については明言されなかったが、C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2003のドコモブースでBluetoothと携帯電話を使ったソリューションのデモが行われていたことを考えても、候補として検討はされているもようだ(12月4日の記事参照)。



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関連リンク
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[後藤祥子, ITmedia]

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