Mobile：“携帯から簡単アクセス”を3キャリア共通で

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2003年12月10日　04:28 AM 更新

“携帯から簡単アクセス”を3キャリア共通で

携帯電話を使った広告やキャンペーンが増える中、課題となっているのはサイトへのアクセス手段が煩雑なこと。ドコモ、au、ボーダフォン向け情報サイトを手がける3社は、3キャリア共通で使える“簡単アクセス”のための仕組みを共同で開発した。

　24時間、生活者の30センチ以内に存在する、史上初のメディア。そしてインタラクティブ──。こうした特性を持つ携帯電話は、広告手段として理想的だ。高機能化が進むにつれて多彩な表現が可能になり、既存の広告キャンペーンの中に組み込まれているのを目にする機会も増えてきた（2002年6月10日の記事参照）。

　そうした中、課題として挙げられるのがサイトへのアクセス手段。携帯電話でURLを入力するのはやはり煩雑な作業で、年齢を問わず誰でもアクセスしやすいとは言いがたい。

　「他メディアとモバイルの間を、どうスムーズに連携させるか」（ディーツーコミュニケーションズの藤田明久社長）という観点から開発されたのが「とくナンバー」。商品や広告に印刷された5ケタの数字を入力するだけで、サイトアクセスを可能にする仕組みだ。

5ケタの番号を入力すればサイトにアクセスできる「とくナンバー」（右）と、クローズド懸賞にその場で応募できる「とくシリアル」（左）

とくナンバー入力画面は、iモード、ボーダフォンライブ！、EZwebのトク系サイトのトップページに

　とくナンバーは、iモードの「とくするメニュー」を運営するディーツーコミュニケーションズ、EZweb「おトク・知っトク」のエイワンアドネット、ボーダフォンライブ！「とくトク Cafe」のジャパン・モバイル・コミュニケーションズの3社が共同で開発。これらトク系3サイトのトップページにとくナンバー入力用のフィールド用意されている。トク系サイトは各キャリア公式サイトのトップページからたどれるため、比較的アクセスしやすい。

　簡単にサイトにアクセスするための手段としては「空メール」の利用などが挙げられるが、「メールアドレス入力の手間がかかるうえ、迷惑メール対策でドメイン指定受信をしている場合には受け取れないこともある」など、利便性に欠ける部分があると藤田氏。より多くの人が使えるのがとくナンバーの優位点だと説明する。

　3社はとくナンバーのほかにも、クローズドキャンペーン応募用の14ケタのユニークなシリアル番号「とくシリアル」や、シリアルを印刷した商品添付用のシール「とくシール」を用意。3キャリア対応メニューの共通ブランド「3とく」キャンペーンとして認知を図る計画だ。

効果を上げた「日清どん兵衛」キャンペーン

　とくナンバーを使って効果が挙がったというのが、10月1日から始まった日清食品のカップ麺「どん兵衛」のキャンペーンだ。

　雑誌の表4や新聞の5段スペース、ラジオ番組で、どん兵衛のとくナンバー「03939」（オーサクサク）を告知。キャンペーンの目的は、「どん兵衛ブランドに触れる機会を増やす」というもので、キャンペーンサイトには、どん兵衛の商品情報やトリビア的なネタ、着信メロディ、クローズドキャンペーンの案内などが用意された。

　日清食品が評価したのは主に「（5ケタの数字の）とくナンバーは、告知内容が少なくて済むので、マス広告や（ラジオなどの）電波広告に入れやすい」「（URL入力では少なかった）モバイルアクセスが増えた」「モバイルからの多数の流入を確認した」という3点だったという。

どん兵衛のキャンペーンサイト。ラーメンが出来るまでの待ち時間に遊べる「どん兵衛版さめがめ」のiアプリゲームもある