Mobile:NEWS 2003年12月24日 01:03 AM 更新

ケータイカメラ画質研究ラボ
自然な写り、高速動作が魅力の「SO505iS」(2/2)


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晴天下での撮影:ちょっと地味目だがナチュラルな写り

 まずはEXILIM S20の130万画素モードと比較しつつ、黄色い象のすべり台から。

黄色い象のすべり台。左がSO505iS、右がEXILIM

 ちょっとSO505iSのほうが露出オーバー気味で、明るいところが白トビしているのが残念。でも色のバランスはいいし、ディテールも悪くない。


前モデルの「SO505i」で撮影した画像

 こちらはSO505iの画像。季節が違うので同等の比較はできないが、まあ、SO505iSもこの季節のこういう天候ならこのくらいに撮れるはず。冬は葉っぱがなく、全体にダークなので、その分露出オーバーになって色が浅くなったと解釈しよう。

 続いて風景と青空編だ。

風景と青空。左がSO505iS、右がEXILIM

 この比較は分かりやすい。EXILIMに比べると彩度が低めで青空も緑も一見鮮やかさが足りない。実は現実に近いのはSO505iSのほうだと思うが、カメラ付きケータイに求められるのはリアルな色彩ではなく記憶色に合った見目鮮やかな色彩なわけで、“もうちょっと飾ってしまってもよかったか”とも思う。

 許容範囲ではあるが、ガラスレンズとはいえ四隅の画質がほんのちょっと落ちており、また圧縮率が高いこともあってか遠くの木々のディテールは失われ気味だ。

 次はあずまやを撮影してみる。

あずまやを撮影。左がSO505iS、右がEXILIM

 さっきの風景編と似た傾向だが、こちらのほうが光が全体に当たっている分、SO505iSの描写も鮮やかでナチュラルで冬っぽいいい感じに収まっている。木々のディテールは辛いが、それ以外は優秀だ。

 SO505iSは最大解像度時でもデジタルズームを使えるのが特徴の一つ。ディスクジョグを回すとズーミングするのがなかなか面白い。

デジタルズームで撮影。左がワイド側、右がテレ側

 1280×960ピクセル時は、なんと8倍である。かなりムチャな倍率だ。実際に8倍ズームまで拡大するとこのように低画素の写真を無理矢理拡大したツラい絵にはなるが、アンチエイリアス処理をかけてデコボコにならないよう処理されていて、無理を承知で使うのなら面白い。実際、これだけ写っていればOKというのなら積極的に楽しんでいい。

 おまけにクリスマスっぽい写真を。

クリスマスの風景。左がSO505iS、右がEXILIM

 ダイナミックレンジの狭さがちょっと気になるが全体のバランスは悪くない。

 最後にマクロを試そう。


SO505iSでマクロ撮影

 マクロモードにして花のアップを撮影した。約12センチにまで近寄ることができる。カメラ付きケータイとしてはもうちょっと近寄りたかった。

 ちなみにSO505iSはカメラ付きケータイにしては珍しく、撮影情報をけっこう詳しくファイルに書き込んでくれる。それにより、シャッタースピードや絞り値、ISO感度などが分かる。ほかのカメラ付きケータイもこのくらい記述してくれると助かるのだが。

 SO505iSの基本ISO感度は160。SO505iが170だったのに比べると若干下がっているようだが、このくらいの差は大きな問題ではなく、感度を抑えめにしたことで画質を上げることができるとも考えられる。絞り値はF4。パンフォーカス機としては妥当なとこだろう。

屋内編:ホワイトバランスの精度は非常に高くなった

 続いて屋内編で蛍光灯下の写真から。これは前作のSO505iと比べてみよう。

蛍光灯下で撮影。左がSO505iS、右が前モデルのSO505i

 これは室内なので季節も何も関係ないが、この差は大きい。SO505iでは蛍光灯下でオートホワイトバランスがうまく働かないケースがあったのだ。もちろんすべての蛍光灯下でこうだったわけではないが、SO505iではうまくいかなかった環境でもSO505iSではきちんと補正されているというのがポイント。SO505iSも、少々中間調が沈みがちなのが気になるが、オートホワイトバランスに改良が加えられたのは確かだろう。

 続いて白熱灯下。これはSO505iSで2パターン用意してみた。

白熱灯下で撮影。いずれもSO505iSで、左がISO160、右がISO500

 両者ではISO感度が違う。ISO感度をセットする項目があるわけではなく、前者では強い白熱灯の光を直接当て、後者では光を壁に向けて間接光にしているというだけの差だが(影の強さを見ると分かる)、それで暗くなった分、増感して補っているのが非常によく分かる。増感した分、ノイズが増えていて全体にざらついているのだが、ISO500でこのくらいなら大きな問題ではないだろう。シャッタースピードは1/20秒と1/15秒。

 注目すべきはオートホワイトバランスできれいに色が補正されていること。ただ繰り返しになるが、中間調が沈みがちで、ニッキ水の水の色がかなりくすんで見える。それが残念な点だ。

 最後にろうそくの光で撮ったものを見てみよう。

ろうそく灯下で505iSで撮影。左から通常モード、夜景モード、ピクチャーライト点灯

 なんと通常モードではISO4000にまで増感された。おかげで1/5秒で撮れている。ノイズがひどいがこの暗さでも色はかなり補正されているし、それなりに写っている。対して夜景モードではISO1250で抑えられてシャッタースピードは1/2秒。思ったよりシャッタースピードが遅くて派手にぶれてしまったが、それは勘弁してほしい。シャッター音を聞いて「よし、撮れた」とケータイを動かしたのが敗因らしい。ともあれ、夜景モードにすると感度を少し抑えめにしてシャッタースピードを落とすということをしているのだ。

 通常モードでピクチャーライトを点灯させた。ISO3200で1/5秒。明るくはなるが(SO505iの4倍の明るさ)、増感しなくてもよくなるほど強い光ではないということだ。

何より軽快な動きが魅力

 総じて、“色は派手ではないがナチュラルで自然な写り”というのがSO505iSのカメラ機能の特徴といってよさそうだ。またオートホワイトバランスもなかなか強力に動く。

 カメラとして特筆したいのは速度だ。往々にしてカメラ付きケータイは本職デジカメに比べて動作が鈍く、画像記録にも時間がかかるものだが、SO505iSはシャッターボタンを押してから記録が完了するまで最高解像度でも約3秒。これは速い、というか、体感的には本職デジカメとたいして変わらない。

 “画質はまあまあで、何より気軽にデジカメ感覚で撮りまくれるカメラ付きケータイ”というのがSO505iSの特徴といっていいだろう。



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[荻窪圭, ITmedia]

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