900i、5機種のソフトを比較する(2/2 ページ)
“505i相当”といわれる900iのソフト。ドコモがマスコミ向けに公開した5機種の実機を元に、機能の紹介から一歩踏み込んで、各機種のメニューなどを画面で比較した。
カメラの起動キーは、F900iがカーソルキーの上、N900iはデスクトップから、P900iがカメラボタンの長押し、SH900iは右ソフトキー、D900iがカーソルキーの上。
最大解像度では、SH900iとD900iを除き、プレビュー画面が小さく表示されてしまう。ディスプレイが縦長なのに、撮影されるのは横長の画像だからだ。
カメラ起動後の設定変更は各社でけっこう違う。F900iは画面下部にメニューが表示されており、左右キーで選んで上下キーで変更する。N900iとD900iはメニューを開いて変更する。P900iとSH900iは数字キーなどに設定が割り当てられており、ダイレクトに変更可能だ(1月20日の記事参照)。
撮影した画像は、5機種とも保存先を内蔵メモリか外部メモリか選択できる。P、SH、Dはあらかじめ保存先を設定しておくタイプ。N900iは撮影後、保存する際にどちらかを選ぶこともできる(自動保存設定時は設定した保存先に保存される)。F900iは、撮影後保存するときに外部メモリも簡単に選択できる。
100万画素クラス(SXGAサイズ)の静止画を撮影したときに、保存にかかる時間は各社で差が出た。今回早いと感じたのはP900iとD900i。ただしチューニングの途中であり、厳密な条件下で並べて比較したものでもない。
メールアドレス~選択入力はSH900iのみ
今度は新規メール作成画面。50xと違い、900iは「To」以外に「Cc」「Bcc」が選択できる。宛先入力をクリックすると、SH900iのみ「電話帳検索」「直接入力」「送信アドレス履歴」「受信アドレス履歴」「メーリングリスト」から選択する画面が出る。ほかの4機種は直接入力画面が現れる。ただし、SH900iは新規メール画面から別の画面に移るする際に、待たされることが多々あった。製品版で改善してほしい部分だ。
続いて、かな漢字変換について見ていこう。大きなポイントは、今回インライン変換に対応している機種が一つもないこと。「デコメールに対応させるために不整合が起こる部分があった」(NEC)というのが理由。文字入力は画面下半分で行い、確定されると画面上半分へ。デコレーションは上半分の領域で行う。
かな漢字変換システムは、F、N、PについてはFOMAを、SH、Dについては505iを引き継いでいる印象だ。一つだけ大きく気になったのは、P900i。予測変換機能を備えてはいるが、予測候補を選択するためにはキーの長押しが必要。P2102Vと同じだ。
端末名 | F900i | N900i | P900i | SH900i | D900i |
---|---|---|---|---|---|
小文字変換ボタン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
逆トグル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
絵文字・記号ボタン | ○ | × | × | ○ | △ |
絵文字・記号学習 | × | × | × | ○ | × |
辞書ダウンロード | × | ○ | ○ | ○ | × |
予測変換 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
予測候補一覧表示 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
予測辞書搭載 | ○ | × | × | ○ | × |
つながり予測 | × | ○ | ○ | ○ | × |
カナ英数変換 | × | × | × | ○ | × |
アクセサリーの充実度は機種により差
アクセサリーの充実度は機種によって差がついた。面白いのはD900i。計算機を内蔵しておらず、「高機能化するためにiアプリで提供」(三菱)するという。ボイスレコーダーはSH900iのみSDカードに音声を記録できた(iモーション形式)(2003年12月の記事参照)。
端末名 | F900i | N900i | P900i | SH900i | D900i |
---|---|---|---|---|---|
計算機 | ○ | ○ | ○ | ○ | iアプリ |
アラーム | 1件 | 3件 | 3件 | 6件 | ○ |
ストップウォッチ | × | × | × | × | × |
タイマー | × | × | × | ○ | × |
メモ帳 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
ToDo | × | ○ | ○ | ○ | × |
ライト | × | × | × | ○ | × |
ボイスレコーダー | × | × | × | ○ | 内蔵2分 |
900iシリーズ5機種のソフトウェアを概観してきた。当然、開発の進み具合は機種によって異なり、F900iのように完成度が高いもののもあれば、D900iのように一部仕様通りの実装が終わっていなかったり、エラーを表示して止まっている機種もあった。
現段階で仕様はほぼ確定し、バグフィックスが開発の中心だというが、まだ細部は変更される可能性は残っている。
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