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光の国はタイの国? 幻のウルトラフォンを求めて(2/2 ページ)

筆者のタイ訪問を決定付けたのは、AirH"のローミングサービス開始でも「V801SA」への機種変更でもない。この商品になんとしても出会いたかったからだ。タイのPCT(PHS)「ウルトラフォン」である。

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ウルトラフォンを買ってみる

 商品を取り出してもらってよく見ると、PCT本体がない。つまりウルトラフォンとは、PCT「X-Series II」の専用ケースとして作られたもので、あくまでもコレクター向けのもの。一般の人であるガイド氏が、その存在を知らなくても仕方がないということらしい。

 さっそくガイド氏に全種類の在庫を確認してもらい、値段の交渉に入ってもらった。全部で4種類あるケースのうち、青い目をしたものだけがそろわないという。ないものは仕方がないので、3種類だけを買おうとすると、店員が専用の化粧箱を取ってきてくれた。そんなものがあるとは思ってもいなかっただけにこれは感激だ。

 だが敵もさる者。「本体も買いませんか?(タイ語)」と尋ねてきた。確かにケースだけでは今ひとつしっくりこないのも事実だ。どれも同じだというので、中古で安いのでいいからと、プリペイド仕様の本体を買うことに決めた。選んだ1台は発信するための残高は残っておらず、電話番号自体も残り2日で消えるという。その場で入金もできるらしいが、翌日が帰国日ということもあり、そのままの状態とした。

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 さてここで、国外の旅行者がPCTを買うことには何も問題はないのかとお気づきの読者もいるだろう。筆者も最初にその点を確認しておいたのだが、店員は問題ないという。だが書類も書かずパスポートも見せずに端末を受け取れたので、ちょっとおかしいなと思っていると、どうやらガイド氏が気を利かせてくれて、自分の名義で買ってくれたようだ。


買ってきたケース3種類とPCT本体。タイで生まれたウルトラマンミレニアムは、円谷プロとは無関係で日本語表記はない

ウルトラセブンのケースにいれた「X-Series II」。マイクとスピーカーの部分には穴が開いており、ダイヤルキーはフリップを開いて操作する。ケースを装着したままのデータ通信コネクタも利用可能な上、後頭部にはストラップ用の穴まで用意されている

ウルトラフォンの真実

 「ウルトラマンはタイ人が考えた」「ウルトラマンの顔はタイの仏像である」など、複雑な事情の絡み合うウルトラマンとタイの歴史。だが日本人にとって、永遠のヒーローであることは間違いない。日本国内ではほぼ入手できないであろうお宝を前に、化粧箱をよくよく見たら意外な事実に気がついた。どうもウルトラフォンには専用端末が付属していたようなのだ。

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 つまり、筆者の買ったものはウルトラフォンのケースだけで、ウルトラフォンそのものにはまだ出会っていないことになる。この商品の場合はケースの意味が重要だとはいえ、やや残念な結果である。もちろん買ってきたPCTを起動しても、ウルトラマンのロゴは出てこない。

 タイ式ボクシングが得意技だというミレニアムのケースと、まだ見ぬウルトラフォン本体を求めて、光の国、もとい微笑みの国での戦いはまだまだ続きそうだ。

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