自分の顔“みたいな”キャラクターをキャラ電に
携帯で撮った写真を元に3Dモデルを生成できる、ロシア発の変換エンジン「μ SCENE SeeStorm Avatar」。このエンジンは「キャラ電生成にも使えます」と京セラコミュニケーションシステム。
テレビ電話で「自分の顔をそのまま出すのはどうも……」というユーザーに便利なのが、FOMAのテレビ電話に新たに装備された「キャラ電」機能だ。
今提供されているキャラ電は、サイトに用意されているものをダウンロードするという受け身のものがほとんど。京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のネットワークシステム事業本部企画技術部の高嶋優里氏は、同社のコンテンツプロバイダ向けASPサービス「μSCENE SeeStorm Avatar」を使えば、自分の顔“みたいな”キャラ電の提供も可能になるという。
μSCENE SeeStorm Avatarは、ロシア発のアバター変換エンジンで、120×120ピクセル程度の小さい顔写真から3Dモデルを生成できるのが特徴(2003年8月の記事参照)。KCCSは、2003年11月に開発元の露SeeStormと提携、携帯電話向けサービスへの最適化を進めてきた。
アバターサーバからの出力フォーマットにエイチアイのMascot Capsule Micro3D形式が追加されたことから、ドコモの505iシリーズ以降のiアプリ、auのバージョン2.1以降のBREW、ボーダフォンの5x以降のVアプリに対応。今後、コンテンツプロバイダへのアプローチに本腰を入れる計画だ。
キャラ電、待ち受けアプリ、グリーティングメールに使える
μSCENE SeeStorm Avatarは、単なるアバターの生成だけでなく、任意のキャラクターと合成したアバターを簡単に作れるのも特徴の一つ。コンテンツプロバイダ側がさまざまなキャラクターを用意すれば、ユーザーは携帯で自分撮りした写真をメールするだけで、自分の顔の雰囲気が若干残ったアバターを生成できる。
「待ち受けアプリや、メールアプリ、グリーティングメール……携帯向けサービスの中心はこのあたりのジャンルになるだろう」と、ネットワークシステム事業本部長兼データセンター事業部長の黒瀬善仁氏。また、自分の顔を生かした3Dモデルを生成できることから900iシリーズのキャラ電にも生かせると話す。「キャラクターと自分の顔を合成したオリジナルのモデルをキャラ電にできる。面白そうということで、一部で話が進んでいる」(黒瀬氏)
KCCS側では、アプリの設計や開発、アバタープレイヤーの実装なども手がけているため、「コンテンツプロバイダは、サービスイメージや使用するキャラクターを用意して頂ければ、サービスインまでの開発のお手伝いはできる」。
携帯電話を意識した機能拡張を
ビジネスモデルが描きやすいこと、自分とキャラクターの合成といった遊び機能に興味を持ってくれるユーザーが多いと予想されることからKCCSは、当面は携帯電話を軸にした展開を考えている。機能もコンテンツプロバイダの要望を取り入れながら拡張していく考えだ。
「もう少し感情や動きを大げさに出せるようにするとか、顔だけでなく全身のモデルを生成できるようにするとか──そうした方向性が考えられる」(黒瀬氏)
コンテンツプロバイダからは、文字の読み上げへの対応や、“人間の写真だけじゃなく、ペットの写真を送っても合成できるようにしてほしい”といった声が寄せられているという。「人の顔パーツの判別はエンジンに組み込まれているので自動判別できるが、人以外は今のところ、任意のパーツを指定しなければならない」
また、PC版で可能なことを携帯版に落とし込んでいくのも課題の一つだ。「携帯電話版のアバターの機能は、PC版の3分の2か半分くらい。例えば、自分が怒った顔をすればアバターにも怒った顔が反映されるフェイストラッキングや、リップシンク機能もPC版では使えるが、携帯版ではスペックに依存する」(黒瀬氏)。携帯の進化を見ながら、徐々に機能を強化していく方針だ。
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