香港でOrangeが「3」に
香港でGSMとCDMAサービスをOrangeブランドで展開中のHutchison Telecomは、ブランド名を同社W-CDMAサービスの3に統一した。これにより香港の携帯電話サービスからOrangeの名称が消滅する。
Hutchison Whampoa(香港)は5月31日、傘下のHutchison Telecomが香港で展開している携帯電話事業について、ブランド名を「3」に統一した。
同社は香港でGSMとCDMAサービスを「Orange」ブランドで展開しており、市場シェアは1位。2004年1月からは別ブランド「3」(3HK)でW-CDMAサービスを開始していたが、その後顧客数は伸び悩みが続いていた。今回のブランド名統一で、各サービスはそれぞれW-CDMAの3-3G、GSMの3-DUALBAND、CDMAの3-CDMAとなる。
これにより香港の携帯電話サービスからOrangeの名称が消滅する。またシェア1位の事業者名がそのまま「3」となることから「3」ブランドの認知度が上がり、W-CDMAサービスの契約者増も期待される。
もともと英国の携帯電話事業社であったOrangeはHutchisonが事業展開していたもの。同社は1999年に香港と一部国を除いて事業を売却したが、高いブランド力であるOrangeの名称は、事業売却後も香港でそのまま使われていた。
なお英国OrangeはHutchisonからMannesmann→Vodafone Airtouchと所有者が移った後、2000年にFrance Telecomが買収している。現在、Orangeの名称は、France Telecomが欧州および世界各国で展開する携帯電話事業のブランド名として使われている。
近年、Hutchisonは各国で携帯電話事業を拡大しており、欧州やタイなどでOrangeとHutchisonがライバル関係となるケースが増えてきた。そのためこのままOrangeのブランドを香港で残すことは、同社の海外展開にとってもブランドイメージの混乱をもたらすと懸念されていた。
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