FOMAは好調、利益は減少~ドコモ第1四半期
ドコモの第1四半期は当初計画通り減収減益。FOMA契約の9割を占める900iシリーズのヒットにより、FOMA契約者数は順調に伸びているが、端末の取得コストやインセンティブ費用の増加、基地局などの設備投資の前倒しにより費用も増加した。
NTTドコモは7月30日、2004年4-6月期の決算を発表した。売上は前年同期比2.5%マイナスの1兆2211億円、税引前利益は17.8%マイナスの2769億円となった。
FOMAの契約数が7月19日に500万を突破するなど、契約者数は順調に伸びているが、ユーザー1人当たりの利用料金(ARPU)が減少したことと、費用の増加(前年同期比3.2%増)が利益を圧迫している。
「販売、契約数は順調だが、ファミリー割引の拡大、パケットパックの値下げ、定額制導入などの値下げや、FOMAへの移行が進んだ結果、どうしても費用の前倒しが起こる」と同社副社長の平田正之氏。
好調な端末販売、サービス
4-6月期のデータを見ると、ドコモの端末販売や新料金プランは着実にユーザーに受け入れられている。
FOMAは堅調に増加。4-6月期は、約183万台のFOMA販売数のうち9割を900iシリーズが占めた。900iシリーズは2月に発売してから既に300万契約を突破している(7月23日の記事参照)。2005年3月末の契約者数目標1060万に向けて着実に伸びている。
パケット定額制「パケ・ホーダイ」は8月には100万契約を突破する見通し(7月28日の記事参照)。年代別に見ると10代・20代の割合が多く、全体の6割を占める。
値下げを行ったパケットパックは、利用率が3.5ポイント上昇。ファミリー割引は2.4ポイント上昇して利用率58%となった。
販売コスト高いFOMA、PDCのARPUも減少
契約者数の伸びは順調だが、FOMA端末の調達コストは高く、販売時のインセンティブ(販売コミッション)もPDCに比べて高い。端末取得原価は、前年同期比で100億円増えて2700億円、代理店手数料も100億円増えて1400億円と、それぞれ増加。50xシリーズなどのインセンティブ費用は、1台当たり3万1000程度だが、FOMAはさらに数千円が上乗せされているためだ。
ユーザー一人当たりの月間利用料金を示すARPUも、大きく減少した。総合ARPUは前年同期比で740円減って、7400円。契約者数の伸びを上回るペースでARPUが減少していることが、費用の増加と共に売上減に結びついている。
とはいえ、大きくARPUが減少したのはPDCのほうで、FOMAに限ってみると、ARPUは9610円から1万240円と上昇している。
減収減益となった4-6月期だが、これは通期の予定に沿ったものだ(5月7日の記事参照)。「売上は堅調に推移している。費用についてもほぼ予定通り」(ドコモ)。
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