夏のWIN端末を1週間使ってみて:Mobile Weekly Top10
夏のWIN端末第1弾となる「W21S」。1週間使ってみての感想は?
KDDIの“本気のWIN端末”の先鋒「W21S」が発売されてから約1週間。“初もの”とあって、筆者の周りでも多くのユーザーが購入した。
まだこれから──EZチャンネル
WINならではの機能──の1つが、EZチャンネル。寝ている間に番組が配信され、毎日5分ほどの番組を見られるという新しいコンテンツだ。
が、どうも“魅力的”というまでにはできあがっていない。KDDIは「ポケット(C)ネル」を無料で配信しているが、筆者の周りで「面白い!」と言ったユーザーは(KDDI関係者も含めて)まだいない。日曜日配信の着うたランキングだけは面白いコンテンツだと思うので、月~金の各番組のクオリティが上がるのを祈りつつ、とりあえず登録しておこう。
ほかの有料チャンネルはどうか……というと、現在のところコレ!というものに出会っていない。登録できるのが最大3番組という制限があり、さらに登録しても実際に番組を見られるのは翌朝になるため、全番組を見るには至ったいないからだ。登録する前に、ムービーなどで番組の概要を見られればいいのだが、そうした用意をしていない番組も多々ある。試聴できる仕組みは必須ではないだろうか。
使い勝手向上の「EZナビウォーク」
高速&定額のWINと、BREWならではの機能の双方が生きるのが「EZナビウォーク」。W21Sでは電子コンパスも付いて、「W21SA」が出るまでは最強のナビ環境である。
メニューも変わって分かりやすくなったほか、道案内だけでなく、電車の乗換検索や終電検索も簡単にできるようになった。これは便利。
さらに車を持っている人には、高速道路や一般道の混雑情報を簡単に見られるのもいい。EZナビウォークは車を組み合わせた道案内も可能で、そのためにVICS(道路交通情報通信システム)から道路情報の提供を受けている。その情報をそのまま表示しているのだろう。カーナビが光ビーコンやFMから受信するVICS情報と違い、通信で情報を取得するため、即時に離れたエリアの道路情報も閲覧できる。
「周辺検索」機能も便利だ。飲食店から病院など公共機関、銀行ATMなどを検索できる機能で、現在位置をGPS測位して近くにある店舗などを近い順に一覧表示してくれる。もちろん、そこまでの道案内も可能。「Myカテゴリ」として、例えば「スターバックス」とか「まんが喫茶」とかを登録しておけば、近くにある店舗を簡単に検索できる。
何を差し置いても、このEZナビウォークの進化はうれしい。弊誌NEWS編集部の編集長もW21Sに携帯を買い換えた一人だが「WINだから地図ダウンロードも早くてうれしい」と話していた。ただし、これまではナビタイムジャパンの「NAVITIME」を愛用していたのに、W21Sに携帯を変えたらEZナビウォーク契約に切り替えさせられたのは少々不満だったようだ。NAVITIMEとは違い、EZナビウォークではPCでの利用ができなくなっているからだ。
端末自体の完成度も高い
「何を動かしても早く感じる」とは先のNEWS編集長の弁。「A1301S」から機種変更したのだが、CPUのパワーアップに伴って機敏さはさらに増したようだ。
日本語入力環境「POBox」の進化も大きなポイント(7月29日の記事参照)。「英数字の入力が楽になったのが本当にありがたい」(同)。絵文字の入力なども含めて、日本語入力はトップクラスといえるだろう。
全体の操作性としては、ソフトキーが4つに増えた点がこれまでと違うところ。場面によってはメニュー階層をたどらずに済むため便利なのだが、メインのソフトキーが逆に押しにくい印象だ。これまでは“一番右上のキー”がソフトキーだったのだが、W21Sは“一番右上のキーの下”がメインのソフトキー。同様に、電源ボタンの位置も分かりにくくなった。
また屋外で使う際には液晶も少々気になる。屋内ではさすがの高輝度を誇る透過型だが、夏の強い日差しの元ではやっぱり見にくい。逆に見えるのはさすがというべきか。反射部をたっぷり取った半透過型の液晶ならば、屋外でも太陽光を反射してしっかり画面が見えるのだが、W21Sの場合、多少光を遮ってあげたほうがいい。
個人的には、不在着信や未読メールを教えてくれるランプが見にくいのが残念だ。閉じても開けてもチェックできるヒンジ部にあるのはいいが、サブ液晶を見られる向きで机に置くと、LEDが全く見えない。光自体も弱く、気づかないことがしばしばだ。せっかく便利な機能なのだから、もっと目立たせてもよかったのではないかとも思う。
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