着うたフルは、レコード会社を脅かさないのか?
携帯での音楽配信をうたう「着うたフル」。同サービスに参加するレコード会社も少なくないようだが、1つの疑問がある。
KDDIが発表した新サービス「着うたフル」は、文字どおり着うたとしてフル楽曲を配信するサービス。従来のように、サビの部分だけ30秒配信するといったものとは根本的に異なる。そこで生じる疑問は、「これがレコード会社のビジネスをおびやかさないのか」ということだ。
着うたフルでの音楽配信が一般的になれば、ユーザーが流れて、CDを買うユーザーが減る可能性もある。そうなれば、レーベルとしてはトータルの収入が減るのでは……という懸念がある。会場で聞いた限り、着うたフルのクオリティは「これは試聴コンテンツであって、楽曲のプロモーションにすぎない」という域は、完全に越えている。
この問題について、KDDIコンテンツ・メディア本部長の高橋誠氏は「非常に難しい問題」と話す。「確かに、レコード会社によっては“これはCDでのビジネスに(悪)影響がある”と思っているところもある」。
とはいえ、会社によって温度差があり、参加に積極的な企業もあるというのが実態のようだ。ちなみに、着うたフルの発表に合わせて各コンテンツプロバイダが出したリリースを見てみると、「GLAY」「175R」「平原綾香」「鈴木亜美」といった有名どころの曲もラインアップされている。「ORANGE RANGE」の楽曲にいたっては、冬WIN 4モデルにプリインストールされている。
KDDIとしては、レコード会社のビジネスモデルを侵さない範囲で「いかにソフトランディングさせるか」に腐心しているとのこと。高橋氏は「(着うたフル対応端末が増えれば)何百万という音楽プレイヤーが存在することになる。そこに新しい市場もできる」とコメント、そこにレーベル側も可能性を感じているようだとした。
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