携帯でインターネットラジオ~タフの試み
「携帯でラジオ」は、もはやさほど新味がない。では、定額制を生かした「携帯でインターネットラジオ」ならどうか?
タフは、携帯電話でインターネットラジオをストリーミング受信するシステム「インターネットラヂヲ」を開発したと発表した。ワールドモバイルサービスと提携してサービス展開する予定で、2005年1月1日から1000人限定テストサービスを開始する。
ユーザーは、Web上のサーバと通信するiアプリをダウンロードする。これにより、音声パケットをストリーミング受信できるようになる。通信環境の悪い場所でも連続再生できるよう、サーバ側と端末側でダブルバッファの仕組みを実装しているという。
音源を独自のフォーマットに変換することで、ストリーミング再生を可能にする。「3GP準拠のフォーマットで音声を扱うと、端末内の専用プレイヤーが立ち上がってしまい、音声再生の裏で通信を行えなかった」(タフの林雅司社長)
タフがフォーマット変換のためのゲートウェイシステムを管理しており、ここに各ラジオ局のインフラを接続するイメージ。「現在、放送局と交渉を進めている段階」(林氏)。個人がインターネット放送局を開局し、タフのゲートウェイを通じて楽曲を配信することも可能だ。
ビジネスモデルは?
ビジネスモデルは検討中だが、キャリアの公式コンテンツとしては提供しない見通し。サービスに興味を持ったユーザーが、各自料金を振り込んでダウンロードするかたちになるという。「jigブラウザのようなかたちでサービス展開できれば」(林氏)
料金は未定だが、「こちらの想定する人数を揃えられれば、1カ月100円でもペイする」(同)。ほかに、広告モデルも検討しているようだ。なお、「ストリーミングで流しっぱなしにすると、すぐパケット代が何万円の単位になる」(同)ため、ユーザーは別途各キャリアの定額プランに加入する必要がある。
携帯でラジオといえば、既にラジオチューナーを搭載した端末がリリースされている。しかし、インターネットラヂヲならチューナーを内蔵しない携帯でも、アプリをダウンロードするだけで「ラジオ携帯」になるというメリットがある。
「インターネットラジオは、地域を問わないという特徴もある」(林氏)。地方局や海外など、ネットならではの局も聴けるようになるだろうとした。
関連記事
- KDDI、FMチューナー内蔵携帯~FM53社と協同で
KDDIは年内にFMチューナー内蔵携帯電話を発売する。ラジオで流れている楽曲名をその場で確認できるほか、着メロや着うたをダウンロードすることもできる。全国のFM主要局53社は、端末発売に合わせて携帯サイトを構築。通信と放送の融合サービスを展開する。 - KDDIと放送6社、「デジタル・1セグラジオ」を披露
1セグ放送といえば、テレビだけではない。KDDIと音声放送事業者6社は、地上デジタル音声放送の1セグメントサービスのインタフェースを公開した。 - 特集:1セグ放送&モバイル放送・徹底比較
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.