鮮やかで豊かな絵作り、ただしノイズが気になる~「N900iG」:ケータイカメラ画質研究ラボ(2/3 ページ)
“CMOSとCCDのいいとこ取り”をうたう、松下電器産業の撮像素子「νmaicovicon」。下手なCCDより豊かな発色だが、ノイズの乗りが気になる。
晴天下での撮影編
まずはいつもの黄色い象のすべり台から。
色がこってり乗った、少々クセがある画質だ。かなり濃いのだが色に関しては申し分ない。しかしよく見ると、暗部のディテールが怪しくて偽色がけっこう乗っている。画質レベルではCMOSとCCDの中間くらいと思っていいかもしれない。ちなみに人物モードで撮ると、もう少し白っぽくなる。
この絵作りがどこまでνmaicoviconの個性によるもので、どこまでがカメラそのものの絵作りのせいなのかは分からないが、この色彩感覚がいい感じに出ると、こんなふうになる。
次はあずま屋の写真だ。
遠景のディテールがかなりもやっとしているが、これはたぶん、ピントの山をけっこう手前に持ってきているのだろう。発色や雰囲気はすごくいい。ディテールより色の豊かさを取ったという感じだ。
このカットを見ても、1~2メートルの距離にピントの山があり、遠くにあるものはややシャープさに欠けるのが分かる。でも色はきれいだ。真冬にこれだけ撮れれば問題ない。
気になるのはやはりノイズ。この青空を見るともうちょっと滑らかな絵作りをしてほしい気はする。
νmaicoviconのウリのひとつは「スミア」がでないこと。CCDで強い光源を撮ると、上下に光の柱が出てしまう。本職デジカメはメカニカルシャッターを利用してそれを防いでいるが、カメラ付き携帯はそんな機構を持たないのでどうしてもスミアが出るのだ。
同じ夕日を撮ったものだが、CCDを採用したF900iCでは見事に光の柱が立っている。ただ、強い光源を撮らない限りこういうことは起きないのでCCDを使っているからといって気にすることはない。N900iGでは確かにスミアは出ていなかった。
遠景は苦手だが、マクロは強力。5~9センチまで寄れる。
ただマクロ時は、ピントの合う範囲がかなり狭くなるので、使いこなすのは難しいかもしれない。
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