実は“音”をウリにしたい端末~開発者に聞く「W31K」(1/3 ページ)
W31Kといえば、丸めのきょう体が特徴的な「WIN端末初のフレンドリーデザイン端末」。だが、京セラの開発部隊に言わせると……「本当に“押したい”のは音質」?
「WIN端末初のフレンドリーデザイン」。それが枕詞になっている端末が京セラ製の「W31K」だ。丸みを帯びたきょう体は、どことなく同じ京セラ製「A1403K」を思わせる。
しかし開発陣に聞くと、ほかの特徴もアピールしたい様子。同社移動体通信機器統括事業部、マーケティング部 商品企画部の国内企画係責任者、矢島孝之氏と同マーケティング部 商品マーケティング課の三宅清文氏に聞いた。
音質はトップクラス~「一番だと言いたい」
W31Kは、京セラとしては初の着うたフル対応機でもある。三宅氏は、その音質に相当こだわったと話す。
音は、端末両サイドのスピーカーから出る。ダイマジックの3Dステレオサラウンドプロセッサ「DiMAGIC Virtualizer X」(2004年10月15日の記事参照)を搭載しており、3Dサラウンドを実現する。
「このチップを積んだだけで相当音は良くなるが、さらにきょう体の設計にもこだわった」
W31Kでは設計上、低音が響くように配慮されている。詳細は「設計家が言いたくないといっている」(同)ほどの工夫がなされ、試行錯誤の末に開発されたものだという。
音量も大きい。W31Kはもともと、フレンドリーデザインで「でか文字」「でか着信音」に対応した端末。着信音や通話中の受話音などは、通常よりボリュームが上がるようになっている。
「実際に再生してみると分かるが、迫力がある。(音量を上げながら)これだけ大きな音を出しても、音が割れていない」(矢島氏)
三宅氏は、とかく音質は数値化しにくいと断りつつ、W31Kの音は携帯の中でトップクラスだと強調する。「これが一番だ、と言いたい」
着うたフル再生時にも工夫が
W31Kは、着うたフルの再生インタフェースも工夫している。
三宅氏は「着うたフルの初代端末は『とりあえず(着うたフルに)対応』することへのプライオリティが高かったはず」と話す。「次の世代の着うたフル対応端末では、味つけがいるだろうと」
具体的には、端末内蔵のプレイヤーで音楽再生中に「再生モード」を変えられる。低音が効いた「Bass」、高音を響かせる「Clear」、中域が出てボーカルの音声が前面に出てくる「Pop」、逆に中域が引っ込む「R&B」の4種類が用意されており、通常モードと合わせて5種類のバリエーションがある。
「こうした機能はウォークマンでもあると思うが、携帯でもちゃんと対応した」
音楽の早送りやランダム再生、1曲のループなど従来機が対応していた機能も押さえた。「お休みタイマー」を設定すれば、30分/60分/90分間楽曲を再生して自動で終了する設定が可能だ。
「利用シーンとしては、夜充電アダプタに挿しておいて眠るイメージ。夜、音楽を聴きながら寝て朝起きたら、充電は完了している」(三宅氏)
ほかに、楽曲一覧画面で「ジャケットのアイコンによる一覧」を可能にするなど、遊び心をもたせている。
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