ドコモのフルブラウザ~90xシリーズでは標準的な位置づけへ
「N901iS」はACCESS製のフルブラウザを搭載した。ただしパケット定額制には非対応
NTTドコモは5月17日に発表した「901iSシリーズ」のうちの1機種、「N901iS」にフルブラウザを搭載した(5月17日の記事参照)。
まずは1機種だが、「他機種へ広げていく企画はある。検討中。フルブラウザを携帯で使うユーザーはイノベーター。90xシリーズは標準搭載になるくらいの位置づけ」とドコモの第一商品企画担当部長の森健一氏は説明する。
携帯電話ではiモードブラウザを標準的に利用し、いざというときにフルブラウザを利用するのではないかという考えだ。コンテンツ閲覧という意味では、あくまでフルブラウザは補助的に位置づけている。
ブラウザは、iモードブラウザなどで実績のあるACCESS社製。同社は海外および国内ではボーダフォン向けにSymbian/Series 60プラットフォームに対応したフルブラウザ「NetFront」を提供している(5月9日の記事参照)。
ウィルコムとKDDIがフルブラウザ「Opera」搭載端末を投入しており、ドコモもこれらに続いたわけだが、大きく異なるのは通信料金だ。
ドコモのパケット定額制サービス「パケ・ホーダイ」には対応しておらず、従量制での提供となる。PCサイトの閲覧には大量の通信が発生するため、定額制対応がほぼ必須ともいわれる。
「最初は(ユーザーが)どれくらい使うか分からない。ユーザーの動向を踏まえて定額制を検討していきたい」(森氏)
2004年末にOpera搭載端末を投入したKDDIも当初は定額非対応。ユーザーの利用動向が見えてきたことから、5月から定額に対応させる予定(3月23日の記事参照)。
なお、ドコモは“ビジネスFOMA”をうたうMotorola製FOMA「M1000」に、フルブラウザ「Opera」を搭載している。こちらも定額制には対応していない(4月14日の記事参照)。
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