ニュース
ドコモ、4G向け屋外実験で1Gbps通信に成功
屋内に続き、時速20キロの屋外移動環境でも1Gbpsの実験に成功した。
NTTドコモは6月23日、第4世代移動通信システム(4G)に向けた屋外実験で、下り最大1Gbpsのリアルタイムパケット信号伝送実験に成功したと発表した。
神奈川県横須賀市の市街地で、基地局装置と時速20キロで移動する移動局との間で通信を行った。既に屋内での「人が歩行する程度のスピード」での1Gbps通信には成功しており(2004年12月17日の記事参照)、今回の成果は屋外の生の環境でも1Gbps通信が可能なことを示した点にある。
利用した周波数幅は従来と同じ100MHz幅。無線アクセス方式としては従来通り、「VSF-Spread OFDM」を使った。100MHz幅を768のサブキャリアに分割するOFDMを使い、さらに拡散率を可変とすることで、通信条件に応じて最適な通信を可能とする。各サブキャリアに異なる信号を乗せる場合を拡散率1、拡散率が1以上の場合、複数のサブキャリアに同じ信号を乗せることを意味する。多重アクセスにはTDMを使っている。
advertisement
また4つの送信アンテナと4つの受信アンテナを使って信号を多重化し通信速度を高速化する、MIMO技術も利用している。
今回1Gbps通信を成功させたことで、周波数利用効率は10ビット/秒/Hzとなった。現行のFOMAで使われるW-CDMA方式(5MHz幅、速度2Mbpsとした場合)に比べ、「約20倍」(ドコモ)の効率アップとなっている。
関連記事
- ドコモが第4世代移動通信システム装置を試作 下り100Mbps以上
第4世代移動体通信のスケジュールが見えてきた。通信方式には「VSF-OFCDM」を利用。現在仕様検討・試作を行っており,夏頃には接続試験・実験を開始する。試作機の開発にはNECが当たる。 - ドコモ、4G向け1Gbpsの伝送実験に成功
VSF-Spread OFDM通信方式と、MIMO多重化を利用。低速移動時に1Gbpsの通信速度を実現する。 - 2010年にやってくる? 4Gとは何か
3Gが本格普及に入り、次世代の規格として4Gが話題に上がり始めた。明確な定義は、利用する周波数帯も含め2007年のITU-T会合で決まるが、現時点で想定される“4Gとは何か”をノキア・リサーチセンター・ジャパン所長の話から探っていく。 - 4Gなんていらない?──ウルトラ3Gとスーパー3G
KDDIが発表したウルトラ3Gや、ドコモのスーパー3Gは、通信速度などだけを見ると“4G”と呼んでもいいほど進化している。しかし4Gとは言えないし、言いたくない理由もある。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.