2010年にやってくる? 4Gとは何か(1/3 ページ)
3Gが本格普及に入り、次世代の規格として4Gが話題に上がり始めた。明確な定義は、利用する周波数帯も含め2007年のITU-T会合で決まるが、現時点で想定される“4Gとは何か”をノキア・リサーチセンター・ジャパン所長の話から探っていく。
第3世代携帯電話(3G)が徐々に普及してきて、そろそろ“次世代”とはいえなくなってきた。いま次世代といったら第4世代携帯電話(4G)のことを指す。
では4Gとは何なのか? というと、明確な定義はない。各社が次世代の意味で4Gという言葉を使っているのが現状だ。現時点で考えられる4Gの姿を、ノキア・リサーチセンター・ジャパンの中川義克所長に聞いた。
2つの4G
中川氏はまず、「次のエアインタフェースは何かということと、次のワイヤレスネットワーク自体がどうなっていくのか、は区別しなくてはいけない」と説く。
携帯電話端末と基地局との間をつなぐエアインタフェース=無線通信方式自体の話と、“複数の無線ネットワークを融合させたシステム……”といったワイヤレスネットワーク全体の話は分けて考えないと混乱するからだ。
まずは無線通信方式自体について、4Gとは何かを見ていこう。
無線通信方式としての4G
日本でも海外でも世代=Generationの進化は、無線通信方式の進化でもあった。
世代 | 主な通信方式 | 通信技術 |
---|---|---|
1G | HICAP(ドコモ)、TACS(セルラー) | アナログ |
2G | PDC、cdmaOne | TDMA/CDMA |
3G | W-CDMA、cdma2000 1x | CDMA |
4G | ? | OFCDM? |
Nokiaが4Gのターゲットとして想定しているのは、
- 100MHz幅の周波数を利用
- 移動環境でピーク100Mbps
- 準静止環境でピーク1Gbps
というもの。ドコモが想定する4Gの通信方式でも、100MHz幅を使って100Mbps以上の通信速度を目指しており(2002年3月18日の記事参照)、各社似通ったターゲットを持っていることが分かる。
周波数の利用効率は、3Gが1bps/Hzなのに対して10bps/Hzを目指す。
今後のスケジュールは、2007年に開催される国際電気通信連合無線通信部会(ITU-R)で「4G向けの周波数の割り当てをどうするかを決める」(中川氏)予定。総務省は日中韓で歩調を合わせ3400〜4900MHz帯を検討している。また、ここで各社が4G通信方式の提案を行い、標準化が始まると見られる。
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3Gと4Gの間?
最近、3.5Gや3.9Gといった“3Gと4Gの間”に位置する通信技術が話題に上がる。これらは基本的には3Gの進化系を意味するものだ。
例えば、cdma2000の進化系であるcdma2000 1x EV-DOや、W-CDMAの進化形であるHSDPAは3.5Gと呼ばれる。
またドコモは、3Gの周波数帯域(2GHz帯、5MHz幅)を使いながら、OFCDMを使って30M〜100Mbpsの通信速度を持つ「スーパー3G」(3.9G)を提案している(7月23日の記事参照)。
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