レビュー

iTunes携帯「Motorola ROKR」を解剖する(2/2 ページ)

満を持して登場したMotorolaのiTunes携帯「ROKR」。携帯電話としての基本機能、音楽携帯としての機能をチェックした。

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何カ国で登場するのか

 Motorola ROKRは、米国では発表の行われた9月7日(現地時間)からCingular Wirelessから入手できる。その他の国の展開状況について、米Motorolaは下記のようになるとプレスリリースで説明している。

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 現時点で入手可能なのは米国のみで、9月末から欧州を中心に展開が開始される見込み。米国でのROKRの入手方法は大きく2つある。1つはオンライン経由での申し込み、もう1つがCingularの系列ショップでの購入だ。ただし条件として、Cingularとの携帯電話の契約が前提となるため、社会保障番号(SSN)のない日本のユーザーがいきなり購入することは難しい。米国では携帯電話の購入に際して、SSNの提示を求めており、これがない場合はプリペイド方式の携帯を購入するしかない。今回の場合、プリペイド契約での購入は無理だと考えていいだろう。

 Appleのイベント会場近くのCingularショップ。この店舗はもともとAT&T Wirelessのショップで、CingularのAT&T Wireless買収とともにCingularショップとなった

 現在、最も早く端末を入手する方法は、オンライン経由での申し込みだと思われる。筆者が近所のCingularショップに問い合わせたところ、入荷時期は未定とのことだった。以前にAT&T Wirelessが米国で3Gの実験サービスを開始した際、実際に対応製品が出回り始めたのは発表から半月以上経過したあとだったので、このペースでいけば、実際にROKRが広くショップに出回り始めるのは9月下旬ごろになるとみられる。オンラインの場合、現在の出荷日数は1週間未満だということで、おそらくこちらのほうが素早く入手するには向いている。

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 Cingularのオンラインサイトによれば、価格は2年契約縛りで現在249ドル。2年縛りなしの価格は不明だが、過去に2年縛りの条件付きで同程度の価格で販売されていた端末との比較で、250~500ドル程度だと予想される。

 米国ではCingularの独占販売となるため、日本人が現地で購入するのは難しい。端末の購入だけなら、欧州のほうが容易だ。ただ仮に購入できたとしても、通信方式はGSMベースなので、日本で端末を利用することができない。現状のROKRは、日本語表示もサポートされていない(他の欧州の主要言語はカバーされている)。

シリーズ化されるiTunes携帯

 米AppleのiTunes携帯のページにアクセスすると最初に飛び出してくるのが「The first mobile phone with iTunes.」というメッセージ。特別イベントの際に同社CEOのスティーブ・ジョブズ氏も何度か言及していたが、今後iTunes携帯というジャンルがシリーズ化される可能性があるということだ。

 もともとこのプロジェクトのはじまりは、2004年の同社と米Motorolaとの提携発表にさかのぼる。Appleから技術ライセンスを受けたMotorolaが、iTunes機能を組み込んだ携帯電話を開発するというものだ。第2弾があるのかは不明だが、仮にあったとして、どういった端末が登場することになるだろうか。現時点でAppleとの提携を発表した携帯電話メーカーはないため、今後短いスパンで競合他社から新製品が登場する可能性は低い。おそらくは、ROKRの第2世代の製品か、Motorolaが出す別の端末となると予想され、それらの製品は、CDMAなどの通信方式もサポートすることになるだろう。

 現状のROKRは日本でそのまま利用できないため、もし日本にiTunes携帯がやってくるのなら、W-CDMA対応版の登場に期待するしかない。また、キャリアが端末の仕様を決める日本では、キャリアが採用するかどうかも重要な要素になってくる。現状、日本でMotorola端末をリリースしている通信キャリアはNTTドコモとボーダフォンの2社。いずれもiTunes携帯のリリースには言及しておらず、今後の動向が注目される。

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