「SA700iS」のGPS機能を解剖する(3/3 ページ)
FOMAで初めてGPS機能を搭載した「SA700iS」は、三洋電機初のFOMA。さらにFOMA初のBREWプラットフォーム使用端末でもある。三洋電機の話から、GPS機能などの仕様と可能性を探ってみよう。
他のFOMAでは、汎用OS──LinuxやSymbian OSの利用が進んでいるが、Qualcommチップを使ったSA700iSではOSやプラットフォームも方向性が異なってくる。au端末と同じように、QualcommのREX OSとBREWを採用しているのだ(2004年10月7日の記事参照)。BREW3.1をベースとしたプラットフォーム上に、BREWアプリケーションとして各機能が搭載されている。「いちから作るよりは、かなり楽になった」(横田氏)。なおマルチタスクもREX OSの機能を使っている。
興味深いのは、LinuxやSymbian OSといった汎用OSに比べ、BREWのオーバーヘッドは小さく、同等のアプリケーションが非常に高速に動くことだ。同様の傾向は最近のFOMA端末とau端末を比較してもいえるが、REX OS+BREWの組み合わせは、レスポンスが非常にいい。ユーザーの間では、端末のレスポンスを気にする声も大きくなっており(9月13日の記事参照)、各社がLinuxまたはSymbian OSに移行するFOMA 902iシリーズ以降は、SA700iSが最速を誇ることになるかもしれない。
こうした中で少々気になるのは、iアプリの動作だろうか。Javaであるiアプリは、REX OSの上のBREWプラットフォームで動く、JavaVMの上で動く……という複雑な構成になっているからだ。KDDIも「BREW上のJavaは速度面で現実的ではない」という趣旨の発言をしており、気になる点だ。しかし、試作機段階のSA700iSに触れた限りでは、遅いどころか、起動から動作速度までかえって速いという印象を受けた。iアプリのパフォーマンスはキーレスポンスだけではなく、演算や画像描画などさまざまな要素があるため、アプリケーションによって感覚が大きく異なる。このため一概にはいえないが、少なくとも速度面が大きな弱点になることはなさそうだ。
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