ドコモ、HSDPAは2006年度早々開始目指す
最大14.4Mbpsを持つ通信技術、HSDPA技術の開発は計画通り。ドコモは2006年度早々の投入を目指す。また先日公開したワンセグ対応端末は、「年末年初にも出していきたい」とした。
NTTドコモは9月29日の社長会見で、今後の端末投入戦略について触れた。開発中の「ワンセグ」対応端末や、3.5Gと呼ばれるHSDPA対応端末の動向について話した。
HSDPA 開発順調 2006年度早々の投入目指す
下り最大14.4Mbpsの通信速度を持つといわれるHSDPA方式の携帯電話について、「開発は順調。2005年度末までに開発を完了し、2006年度、できるだけ早い時期に出したい」(中村維夫社長)とした。HSDPAは3.5Gとも呼ばれ、現行の3G(FOMA)の通信方式をベースに通信速度を向上させたもの。技術的にはKDDIが提供中のCDMA2000 1x EV-DO(1X WIN)に近い。
ドコモはHSDPA対応端末を、当初データカード型で投入予定(2月16日の記事参照)。通信速度は3.6Mbpsからのスタートになると見られる。
携帯電話の通信速度向上については、HSDPA投入後、3.9Gとも呼ぶスーパー3Gの開発を続けており、その後下り100M~1Gbpsを実現する4Gを導入する計画だ(7月19日の記事参照)。一方で、中村氏が「4Gと並んで最大の関心事」としたのが、PCのインターネット技術から発展してきたWiMAXだ。イー・アクセスなど新規参入を目指す通信キャリアは、HSDPAとWiMAXを組み合わせたサービスを計画しており(5月23日の記事参照)、KDDIも携帯の通信をWiMAXで補完する考えを示している(7月15日の記事参照)。「3Gでは高速通信の需要を満たせない。携帯キャリアもWiMAX導入が急務」(野村総合研究所)といった声もある(7月26日の記事参照))。
「1つの流れが4G。かたやWiMAX。(WiMAXは)都市部での利用には非常に興味がある」(中村氏)
ワンセグ端末は、年末年始にも
通信速度の高速化と並び、携帯のマルチメディア化の流れも急速に進む。2006年4月から放送が開始される移動体向け地上デジタル放送「ワンセグ」に対応した端末を、ドコモは開発中。先日公開した(9月27日の記事参照)。
「(ワンセグ対応端末は)年末年初には出していきたい」と、放送開始に先立っての端末投入を進めると中村氏は話す。ただしテレビ受像機を乗せた携帯電話のビジネスモデルについては詳細の説明をさけた。「ビジネスモデルは難しい。テレビを乗せただけだと単なる受像機。ワンセグにはデータ放送があるので、iモードとの連携を進めていきたい」
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