ソニー、炎上した「Xperia 1 VIII」のAIカメラ機能で“火消し“ 「4つの選択肢」を強調
ソニーの新型スマホ「Xperia 1 VIII」のAIカメラ機能が、海外公式Xの作例投稿を機に炎上した。この機能はあくまで裾野を広げるオプションであり、本来の魅力である望遠センサーの大型化などがかすむ形となっている。高価格なフラグシップだからこそ、従来のファンに刺さるハードの進化を最前面に出すべきだった。
ソニーが、Xperiaのグローバル公式アカウントで、「Xperia 1 VIII」のAIカメラアシスタントで炎上した投稿のフォローを行っている。
Xperia 1 VIIIのカメラ機能では、AIがシーンを認識して明るさ、ホワイトバランス、彩度、コントラストなどを調整して4種類の写真を提案してくれる「AIカメラアシスタント」を搭載している。例えば料理の写真なら「より鮮やかに」「カラフルでPOPなイメージ」「コントラストを抑えてふんわりと」「統一感のあるシックな一枚に」という具合だ。
しかし、Xperiaのグローバル公式アカウントが、AIカメラアシスタントで撮影した複数の作例をXに投稿したところ、いずれも露出オーバー気味の写真が選ばれており、「色あせて見える」「もとの写真の方がいい」など批判が集まった。ソニー広報は、掲載した作例はあくまで選択肢の1つであり、ユーザーの好みに合わせて選べることを後に説明した。
グローバル公式アカウントでは、この炎上投稿の火消しに動いたのか、「AIカメラアシスタントに関する投稿に続き、この機能をより詳しく説明します」と、他の作例を投稿した。ここで紹介された作例は日本の製品サイトにも掲載されている料理写真で、冒頭でも触れた4種類の提案を紹介している。Xでは「撮影後に写真を編集するものではありません。シーンと被写体に基づいて、異なるクリエイティブな方向性で4つの設定を提案します。任意のオプションを選択するか、ご自身の設定を使用できます」と説明している。
ただ、この投稿に対しても「彩度が高すぎる」「AIが写真を悪くしている」といった批判的な反応が目立つ。一部では最初の露出オーバー気味の写真をなぞって、あえて料理写真を白飛びが目立つよう加工して投稿し直しているポストもあり、インプレッション(閲覧数)稼ぎのネタに走っているユーザーも見られる。
AIによる写真の仕上がりが気に入るかどうかは個人の好みによるとはいえ、最初の炎上のインパクトがあまりにも強かったのか、批判的な声が悪目立ちしている印象も受ける。4つの提案を最初に投稿していたら、ユーザーの印象も変わっていただろう。
そもそも、AIカメラアシスタントはオプション機能であり、オフにしてもよい。ソニーはもともと見たままの忠実な画作りを重視しており、AIカメラアシスタントはユーザーの裾野を広げるために搭載したもの。今回の騒動を機に、Xperia 1 VIIIのカメラ画質そのものが劣化したという誤解が広まったとしたら、製品本来のポテンシャルを考えても残念と言わざるを得ない。
Xperia 1 VIIIでは望遠カメラのセンサーが大型化し、暗所性能も向上している。こうしたハードウェアの進化を中心に、従来のXperiaファンが喜ぶメッセージを打ち出し、その上で新機軸のAIカメラアシスタントをアピールするという順番の方が、ファン層の混乱や不要な誤解を招かずに済んだのではないだろうか。
こうした騒動を受けてか、現時点で日本のXperia公式アカウントでは、Xperia 1 VIIIのカメラ作例はXでは投稿しておらず、タッチ&トライイベントやオリジナル壁紙プレゼント、体験ライブ配信の告知、オープン市場向けモデルの予約などの投稿にとどまっている。
23万円台からという価格設定に対して「高すぎる」という声も目立っており、波乱含みの船出となったXperia 1 VIIIだが、どこまでユーザーに受け入れられるのか、注目したい。
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