薄いけど丈夫なんです──大画面液晶の「D902i」が生まれるまで(2/2 ページ)
スライドボディのハイエンドFOMAとしては3代目となる「D902i」。2.8インチの大画面液晶を搭載しながら、薄型軽量化を図ったこの端末が生まれるまでを、三菱電機の開発陣に聞いた。
「デザインのテーマとして、最初に『スムーズ』という言葉を掲げた。ただ薄くするだけなら、部品配置の一番効率的なところをとればいいが、デザイン的にもすっきりさせたかった。例えばサイドのボタンにしても、位置がデコボコしていてもかまわないのであれば、もっと効率はよくなるが、デザインはとんでもないことになる。サイズは小さく、持ちやすくなるようにアールを付け、なおかつ効率もよく──ということで設計側とデザイン側の打ち合わせには、いつも以上に時間を取った」(谷田川氏)
デザイナー側と設計側の意図や方向性がまとまったことも、端末のデザインに大きく貢献したとはNTT事業部の谷田貝篤志氏。
「設計とデザイナーの間に確執があるのは普通のこと(笑)。今回はその中でも、ある程度、方向性が一致した」(谷田貝氏)
「『もうそろそろスライドでガツンといかないとマズイぞ』というような共通認識が強くあった」(谷田川氏)
機能主義ではないスライドタイプのデザイン
スライドスタイルは折りたたみ型端末に比べて、十字キーやソフトキー、終話/発話キー、液晶画面などさまざまな機能的要素が表面に表れる。そのせいで、どうしても機能的なイメージが先行しまうのが悔しかったと谷田川氏は振り返る。
「スライドタイプもデザインで見せたいという思いから、カラーや形、ノイズをなくすといった点に気を遣っている。また、画面の占める割合が大きいので、画面もボディの一部と考えて、端末やカラーの雰囲気と画面のマッチングにも気を使っている。大画面に表示する待受画面を『着せ替え的要素』ととらえており、従来モデルよりもプリセット画面の吟味にも時間をかけている」(谷田川氏)
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