米Qualcomm、ラスベガスで「MediaFLO」の試験放送
米QualcommはCTIA WIRELESS 2006に合わせて「MediaFLO」の広域デモを行う。対応端末を使えば、ラスベガス市内でMediaFLOが視聴可能になる。
米Qualcommは4月4日、ラスベガスで開催中の携帯電話と無線通信のイベントCTIA WIRELESS 2006において、市街全体をカバーした「MediaFLO」のデモを行うと発表した。
MediaFLOとは、米Qualcommが開発した携帯電話向けの放送技術。QVGAサイズの動画をストリーミング配信できるほか、音声ストリーム放送や、いつでも再生できる動画コンテンツを配信する「クリップキャスティング」、IPデータキャスティングなどのサービスが行える。米国ではQualcommが700MHz帯の周波数をオークションで競り落とし、自らインフラを構築している。子会社のMediaFLO USAを通して、携帯電話キャリアにサービスを提供する計画で、すでに米Verizon Wirelessが採用を表明している(2005年12月2日の記事参照)
今回のデモは、3月に日本の報道陣に公開したデモ(3月2日の記事参照)のように、実際に送信機を用意して放送波を発射し、実環境に近い状態での試用を可能にする。現在ラスベガス市内に2本の送信機を立てており、市街地をほぼカバーしているという。会場では、実際にMediaFLOの番組が視聴できるほか、市内各地でも対応端末があれば体験可能だ。また車の中などの、高速で移動する環境での視聴デモなども行われる。
デモに合わせて、シャープ、京セラ、韓Samsung、韓LG電子、韓Pantech、米MotorolaがMediaFLO対応端末の試作機を公開予定だ。
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