「文字入力には心を痛めていた」――NECが語る「N902iS」の改善点(3/3 ページ)
従来のNECユーザーをターゲットにしつつ、進化もアピールする。そんな新機種、N902iSはどこがどのように改善されているのか。1つの注目ポイントは、「文字入力」だ。
「携帯の表面に図案をきれいにプリントするのは、なかなかシビアな作業だ。伸びたりゆがんだりするので、それで画像が縮んだりしたとしても分かるような動物がいい」。その点、象は鼻が長いという特徴があるため、ネコや犬のシルエットよりも分かりやすい……という判断もあったようだ。
携帯初の手ブレ補正から、さらにレベルアップ
N902iは、携帯初の静止画手ブレ補正対応ケータイということで話題になった(2005年11月25日の記事参照)。N902iSでもこの機能は継承されており、さらに強化されて「6軸の手ブレ補正」に対応している。
6軸の手ブレ補正――といってもすぐにはイメージしにくいが、杉原氏は基本的にはソフトウェアの画像処理がバージョンアップしたのだと説明する。「前のN902iでは4枚の画像を撮って重ね合わせていた。その重ね合わせの座標軸が、前回は『縦横』だけだったので2軸の手ブレ補正ということになる。N902iSではさらに前後のブレ、つまり『大小』の補正ができるほか、『回転』の補正も計算できるアルゴリズムを搭載している」
カメラ回りではもう1点、画像補正を行う「PictMagic」が機能向上して「PictMagicII」になった。従来のホワイトバランス/コントラスト/シャープネスなどを補正する機能に加え、ポートレート撮影のときに顔を検出して、肌色をきれいに見せるという調整も行える。
新機能にフォーカスした端末から、万人ウケする端末まで
N902iSは、ハイエンド端末としては位置づけが微妙だと考えるユーザーもいるかもしれない。杉原氏自身「ユーザーのターゲットは変えていない。『Nユーザー』に使ってもらえる機種だ」というように、それほど大胆な新機能を盛り込んではいない。一方で、デザイン面で変化をつけるなど、“革新”の要素も模索している。
杉原氏は、N902iSの機能面での軸はやはり携帯の本質であるコミュニケーションだと話す。「遊び心があって、メールコミュニケーションなどを通じて楽しさを感じてもらえれば」。N902iSは、より多くのユーザーに受け入れられることを義務付けられた端末になるようだ。
それでは、NECは全く新しい機能に挑戦する気持ちがないのか――。杉原氏は、それは別の端末の役割だと話す。具体的には、国内の携帯業界で初めてHSDPAに対応した「N902iX HIGH-SPEED」がその役割を果たす。
「N902iX HIGH-SPEEDは、企画端末であり新しい技術に対応している。一方で、SIMPURE Nのように“60xiシリーズ”の端末も開発する。ローエンドの端末から企画端末まで開発し、かつN702iDのようにデザインケータイもリリースしている」。一通りのラインアップを1つのメーカーで揃えるのは、NECぐらいのものだとアピールした。
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