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20代にアピールするには“バイク”より“ロボット”?――「G'zOne W42CA」の裏コンセプト 開発者に聞く「G'zOne W42CA」その1: (1/2 ページ)

WINのG'zOneが欲しい──。ユーザーの熱烈な要望に応える形で登場したのが「G'zOne W42CA」だ。コンセプト色の強かった「G'zOne TYPE-R」に比べて“普通っぽい”という声もあるが、そこはカシオ計算機の狙い通りだ。

 2005年の夏、カシオ計算機製のタフネス携帯として4年ぶりに復活したのが「G'zOne TYPE-R」だった。この端末は、復活を待ち望んでいたユーザーから熱烈な歓迎を受けたが、一方でこんな声も挙がっていた。「これがWINだったら」──。

 G'zOne TYPE-Rの発表から1年、そんなユーザーの期待に応える形で登場したのが「G'zOne W42CA」だ。この端末の開発コンセプトについて、カシオ計算機第四デザイン室室長の井戸透記氏と杉岡忍氏に聞いた。


カシオ計算機第四デザイン室室長の井戸氏(右)と杉岡氏(左)

G'zOne Type-Rは20代よりも30代、40代に支持された

 G'zOne W42CAのコンセプトは、“G'zOne+WIN”に集約される。最新スペックをキャッチアップしたタフネス携帯へと進化し、他キャリアにはない圧倒的な存在感を持った端末に仕上がった。

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G'zOne W42CA(左)と、2005年夏モデルのG'zOne Type-R(右)

 もちろん、前作のG'zOne Type-Rもそのインパクトは強かった。「G'zOne」ブランドの復活と個性的なデザインが、話題をさらったのは記憶に新しい。しかし、前モデルのユーザー層は、カシオ側の企画意図に反して10代の若年層が顕著に少なかったという。「10代の若年層はWIN志向が強い傾向があり、それがType-Rの見方につながったのではないか」と井戸氏。WIN対応となったG'zOne W42CAでは、Type-Rで獲得できなかったユーザー層にもアピールできるのではないかと開発陣は見ている。

 Type-Rが若年層よりも30代、40代にヒットしたというのも興味深い。これは、“Racing”というキーワードやオートバイの造形エッセンスをちりばめたデザインが(30代、40代に)響いたのかもしれないと井戸氏は分析する。「最近の若い方はあまりバイクに乗らない。スクーターだったりしますよね。スポーツといってもバイク寄りになってしまうと、若年層には“自分たちのテイストではないな”というのがあったようですね。そういう意味で、WINじゃなかったから若い層よりも30代、40代に受け入れられたという点と、もう1つデザイン面があったのかな、という印象です」(井戸氏)。

 こうした20代は「ロボット」世代なのではないかと考えたデザインチームは、そのテイストをG'zOne W42CAに盛り込んだ。「ロボットアニメやCGの世界に日常的に触れている若年層にも受け入れられるよう、そのテイストをあえて取り入れた」(井戸氏)。G'zOne W42CAのデザインテーマとして「未来的」「ロボット」「最先端技術」を選んだのは、こんな理由からだという。

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