3.5インチタッチパネル搭載の「iPhone」、6月に発売:Macworld Conference & Expo2007
登場がうわさされてきたApple製の携帯電話「iPhone」が、ついにそのベールを脱いだ。単に携帯電話にiPodの機能を融合しただけでなく、Webブラウザやプッシュメール機能などスマートフォン並みの機能を備える。
米AppleのCEO、スティーブ・ジョブズ氏は1月9日(現地時間)、Macworld Conference & Expo 2007の基調講演で、長らく噂されていたiPodの機能を統合した携帯電話、「iPhone」を披露した。
「ワイド画面のiPodであり、携帯電話であり、Internet Communicatorでもある製品」とジョブズ氏が紹介したその端末は、iPodと同じような形をしたデバイスだった。重量は約135グラムで、外形寸法は縦115×横61×厚さ11.6ミリ。
ただ、今回発表されたiPhoneはGSMクワッドバンド(850/900/1800/1900MHz)/EDGE対応の端末で、残念ながら日本では利用できない。日本市場にiPhoneが投入されるのは、3G版が開発されてからということになりそうだ。
価格は、Cingular Wirelessとの2年契約込みで、8Gバイトモデルが599ドル(約7万円)、4Gバイトモデルが499ドル(約6万円)。CingularのWebサイトかApple Storeで購入できる。米国での出荷は6月になるという。なお欧州では2007年第4四半期、アジアでは2008年のリリースを予定している。
iPhoneの最大の特徴は、採用するディスプレイが3.5インチ(320×480ピクセル)と非常に大きく、さらにそのディスプレイにはタッチセンサーが搭載されていること。ほぼすべての操作はディスプレイにタッチして行う仕様(Appleは“Multi-touch”と呼ぶ)で、側面にもキー類はほとんどない。上部にイヤフォンジャック、下部にはiPodコネクタを備え、前面に受話用のスピーカーがある点をのぞけば、携帯電話というよりは新型のiPodのようだ。
ディスプレイ以外の特徴としては、2メガピクセルのカメラやBluetooth 2.0、802.11b/g無線LANなどが挙げられる。もちろんiPodとしての機能も充実しており、音楽/動画の再生や写真の表示などが可能で、iTunesを用いてPCとのデータのシンクロができる。本体には加速度センサーを搭載しており、端末が縦位置なのか横位置なのかを検出して自動的に写真や映像を回転させる機能も用意した。アクセサリーとしてBluetoothヘッドセットなども提供する。
OSにはMac OS Xのサブセット版を採用。マルチタスクもサポートする。メール機能はIMAP4やPOPに対応しており、既存のメールサービスが利用可能だ。また、iPhoneの購入者にはYahoo! MailのIMAP4メールアカウントが用意され、「BlackBerry」のようにIMAPメールをプッシュ配信することもできる。またSafariベースのフルブラウザを装備し、PC向けのWebサイトが閲覧できるほか、アプリケーション化されたGoogle Mapsなども搭載している。
文字入力は、画面に表示されるQWERTY配列のソフトウェアキーボードを用いて行う。電話をかける際に、番号を直接入力する必要がある場合はやはりソフトキーボードを使う。
連続通話時間は最長5時間、音楽の連続再生時間は最長16時間とのこと。端末には対物センサーが搭載されており、iPhoneを耳に近づけるとディスプレイが消灯するほか、スピーカーからの音声出力をオフにするなど、ユニークな機能も搭載している。
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