「W44K」は京セラにとっての新たな一歩──“WIN最薄”が生まれるまで:「W44K」開発陣インタビュー(3/3 ページ)
厚さ15.3ミリ──auの秋冬モデルの中で最も薄いのが京セラ製のWIN端末「W44K」だ。基本的なトレンドスペックを搭載したうえで、どれだけ薄くできるかに挑戦したという本機について、開発陣に話を聞いた。
インフォメーションキーでできること
サブディスプレイで時刻や新着情報を確認する際、折りたたみ型端末ではサイドキーを使うことが多い。W44Kにもサイドキーは存在するが、それとは別に、多彩な機能を持ったインフォメーションキーを備える。
「サブディスプレイで時刻を確認する場合、通常はサイドキーを使うが、端末をしっかりと持つ必要があり、これは不便だと思っていた。そこで生まれたのがインフォメーションキー。インフォメーションキーは端末背面の真ん中にあるので、例えば胸ポケットから取り出す際、ちょうど指がインフォメーションキーに触れ、そのまま時刻を確認できる。時計代わりに机に置いている場合でも、人差し指1本ですぐに時刻を確認できる。こういうのは便利だと思った」(板野氏)
端末背面の中央に配置されているインフォメーションキーは、右利き、左利きどちらも違和感なく使えるのが特徴だ。またインフォメーションキーは、サブディスプレイのオン/オフだけでなく、バッテリー残量の確認、アプリやau Music Playerの起動などにも利用できる。設定はユーザーが任意に行えるため、使い方次第でW44Kの使い勝手を大幅に向上させられる。なおau Music Playerでは、インフォメーションキーとサイドキーが音楽系の各種操作に対応するため、端末を閉じたままでも音楽が楽しめる。
日本語変換には、辞書機能を大幅に強化した「Advanced Wnn V2 Ex」を採用。大きく分けて変換基本辞書と標準予測辞書の2つを用意し、「Advanced Wnn V2」との比較で変換辞書が2倍、予測辞書が15倍にボリュームアップしている。
「辞書機能はかなりバージョンアップした。社内でさまざまな端末の日本語変換の調査をすると、W44Kの使いやすさが際立つ。日本語変換は常に課題となるので、今後もしっかり押さえていきたい」(宮坂氏)
「A5502K」から続く伝統の「ペタメモ」も進化を遂げた。ペタメモは、待受画面上に付箋のようにメモを貼り付けることで、メニューをたどることなくさまざまな機能を呼び出せるもの(2004年2月の記事参照)。普通のメモ帳としても使え、最大で8枚まで登録できるほか、アイコン付きやテキスト付きといった設定や、貼付位置の指定も行える。
「ペタメモは機能のショートカット的な位置づけ。これまでのモデルでは背景とペタメモがバッティングしていたが、W44Kでは背景をグレーアウトさせることで、見やすさを向上させている」(宮坂氏)
薄型化のためにほかの機能を犠牲にしないW44Kの開発は、京セラとして、これまでにない新たな挑戦となった。「W44Kを京セラにとっての薄型WINの礎としたい」と話した宮坂氏だが、重量競争と同様に、単純に薄さだけを求めていくと薄型化には限界があるのも事実だ。
薄かろう悪かろうは駄目――薄くありながら標準機能をしっかりサポートするという京セラのコンセプトは、ユーザーにも受け入れられ、1月12日時点で販売ランキングの6週連続トップを達成している。
関連記事
写真で解説する「W44K」
京セラ製端末「W44K」は厚さ15.3ミリという極薄デザインが特徴のWIN端末。強化ガラスを使った液晶パネルや、ハーフミラー処理されたサブディスプレイなど、高いデザイン性と実用性を兼ね備えた。日本語入力機能は進化したのか──「W44K」
15.3ミリというWIN最薄ボディにハーフミラーのパネルをあしらった京セラ製の「W44K」。「Advanced Wnn V2 Ex」を装備した日本語入力機能は、使い勝手が向上しているのか。写真で解説する「W43K」
スピーカーのようなデザインの背面に、円形のタッチセンサー付きキーを配した「W43K」は、春モデル「W41K」からさらに音楽機能を向上させたモデルだ。FeliCaも新たに搭載した。“もっとも音がいい携帯”をめざして──「W43K」の挑戦
スピーカーのような外観を持ち、auの秋冬モデルの中でもひときわ音楽機能が充実した京セラ製WIN端末「W43K」は、“もっとも音がいい携帯”をめざして開発された端末だった。オーディオ機器としての「W41K」に込めた思い
高音質な音楽機能と高画質なカメラ機能が自慢のWIN端末「W41K」。クレードルにウーファーを搭載するなど、ユニークな音楽機能について聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.