対応デバイスとコンテンツの幅を広げ、シェア拡大を目指す──シャープの電子書籍戦略
携帯向けコンテンツが好調なことから、市場規模が急拡大している電子書籍業界。電子書籍フォーマットのXMDFを展開するシャープは、対応デバイスとコンテンツの幅を広げることで電子書籍ユーザーの裾野を広げたい考えだ。
電子書籍フォーマットのXMDFを提供するシャープが、東京ビッグサイトで開催中の東京国際ブックフェアにブースを出展。XMDFフォーマットに対応するデバイス群を披露した。
シャープ オンリーワン商品企画推進本部 SST推進センターの矢田泰規所長は、電子書籍戦略について「XMDFフォーマットの電子書籍に対応したデバイスを増やし、それぞれのデバイスの特性に合った新たなジャンルのコンテンツを開発することでシェアの拡大を狙う」と説明。電子辞書やスマートフォン、電子書籍専用機などへの対応を進めるとともに、学習系やビジネス系など新たなジャンルのコンテンツを拡充する計画だ。
また昨今の携帯向け小説の投稿ブームを受け、Microsoft Wordで作成したデータを簡単操作でXMDFファイルに変換する技術を開発。電子書籍配信の裾野を広げる取り組みを進めるという。
海外展開については、フェイスと組んで欧州のキャリアやコンテンツプロバイダにアプローチしているといい、夏以降、順次コンテンツの配信が始まる見込みだとした。
電子書籍市場は急速に拡大しており、2007年度は200~300億円規模になると予測する調査会社もあると矢田氏(6月15日の記事参照)。2010年には2000億に達するという見方がある中、同氏は電子書籍の今後について「出版社、コンテンツ製作会社、デバイスメーカー、プラットフォーム提供企業が協力しながら産業化していくことが重要」と話す。最近ではその機運が高まっているといい、「連携の相乗効果が現れれば、“2012年に1兆円市場も夢ではない」と自信を見せた。
ドコモのハイエンドモデル「SH904i」では、書籍データを端末内やmicroSDに保存できるようになった。「auやソフトバンクモバイル向けビューワと異なり、ドコモ向けのビューワでは書籍コンテンツを端末内に保存できなかったが(通信しながら閲覧する仕様だった)、SH904iでiモードのゲートウェイを通じたダウンロードが可能になり、保存できるようになった。メーカーオプションの対応になるが、(他メーカーにも)対応を呼びかけたい」(矢田氏)
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