ドコモ中村社長がKDDIブースで食い入るように見ていたもの:Mobile Weekly Top10
通信各社のトップやキーパーソンによる基調講演が行われた、ワイヤレスジャパン2007の開幕日。キャリアのトップがライバル陣営の展示を視察する光景が見られた。
東京ビッグサイトで開催中のワイヤレスジャパン2007。初日の7月19日は、通信各社のトップやキーパーソンによる基調講演が行われたが、その後の展示会場ではキャリアのトップが“敵情視察”する様子が見られた。
NTTドコモの中村維夫社長がKDDIブースに訪れたのは、ちょうど昼ころ。2007年の夏モデルが並ぶ端末コーナーを中心に見て歩き、防水ワンセグモデルの「W52CA」「W53SA」や500万画素のカメラを搭載した「EXILIMケータイ W53CA」などを興味深そうに視察していた。
その後、中村社長が足を止めたのが新サービス「災害時ナビ」のコーナー。新潟県中越沖地震の発生から日も浅く、サービスの説明を食い入るように聞いていた。災害時ナビは、GPSと端末内に保存している日本全国の広域避難所や主要道路といった地図データを使い、通信網に依存しないスタンドアローンなナビゲーションが可能だ。災害時に基地局が被害を受けて使えなかったり、通信が込み合っていても携帯ナビを使うことができる。
総務省による3G携帯へのGPS搭載の義務付け(5月17日の記事参照)によりGPS機能が注目を集めているが、ドコモは903iや904iなどのハイエンドシリーズと、らくらくホンIVやキッズケータイなど位置情報サービスを付加価値にするモデルに搭載するのみで、まだまだ“当たり前”の機能にはなっていない。KDDIは簡単ケータイを除く現行機種のほとんどにGPSを搭載しており対応サービスも豊富。キャリアの通信網に頼らないスタンドアローンGPSも提供を開始した。
中村社長は、昨年秋の「CEATEC JAPAN 2006」でもKDDIブースを訪れていたが、その際は「W44K」といったスリム端末に興味を示していた。その後ドコモは、冬モデルとして「N703iμ」「P703iμ」という極薄端末をリリースしている。
ドコモの次期90Xiシリーズでは、全機種がワンセグ、HSDPA、GSMに対応するほか、GPSについても強力なサービスを提供するとうわさされる。中村社長は、KDDIの災害時ナビと、今後登場するドコモのGPSサービスとを見比べていたのだろうか?
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