5分で分かる、今週のモバイル事情:8月4日~8月10日
携帯電話の契約数は、ソフトバンクモバイルが3カ月連続で純増トップを獲得。同社は第1四半期の決算も好調で、孫正義社長は「健全にやっていけるのではないかという手応えを感じつつある」と話した。
ソフトバンクモバイルが3カ月連続で純増トップ──7月契約数
電気通信事業者協会(TCA)が8月7日、2007年7月末時点の携帯電話契約数を発表した(8月7日の記事参照)。純増数はNTTドコモが8万1400、KDDIが19万1200(au純増が23万4600、ツーカーは4万3400の純減)、ソフトバンクモバイルが22万4800で、ソフトバンクモバイルが3カ月連続で純増シェアトップを獲得した。
ドコモは現状、契約数に加算されない「2in1」を利用したサブ番号(Bナンバー)の契約数が4万3500の純増で、それを合わせると11万4500の純増となる。一部メディアが、「ドコモが2in1の別名義契約を2007年度内に開始する」と報じるなど(8月7日の記事参照)、王者ドコモの復権を賭けて対応を急ぐものと見られる。
8月9日には電子情報技術産業協会(JEITA)が、6月の移動電話の国内出荷台数を発表(8月9日の記事参照)。携帯電話とPHSを合わせた移動電話の出荷台数は511万5000台で、2カ月ぶりに出荷台数が500万台を超えた。6月は夏モデルのリリースが相次いだことから、出荷台数が好調に推移したという。
ソフトバンクの第1四半期決算、携帯が好調で増収増益
8月8日は、ソフトバンクが第1四半期の決算を発表(8月9日の記事参照)。売上高6630億円、営業利益787億円、経常利益512億円と、前年同期比で大幅な増加を実現した。孫正義社長によれば、ソフトバンクモバイルの携帯電話事業が順調に収益に寄与しているほか、携帯以外の分野でも事業が好転しているという。
携帯電話事業については、「携帯電話事業を基幹の事業に据えてやっていけるという手応えを、徐々に感じてきている」と“謙虚に”好調さをアピール。3Gの基地局設置も目標の4万6000局を達成し、ユーザーのネットワーク満足度は、1年前を100とすると約27%高くなったという。
またソフトバンクモバイルが躍進する原動力となった、月額980円の「ホワイトプラン」は、新規加入者の98~99%くらいが選ぶほどの人気で、契約数は8月7日時点で690万回線に到達。番号ポータビリティを利用してキャリアを変えたユーザーに対して行った調査では、キャリアを変えて料金が安くなったというユーザーが、ソフトバンクモバイルは74.6%に達した。
2.5GHz帯の争奪戦、9月10日にスタート
総務省が、2.5GHz帯を使った無線ブロードバンドシステムの認定申請を9月10日から受け付けると発表した。“2.5GHz帯でWiMAX”を狙う各キャリアの動向に注目が集まる(8月7日の記事参照)。
周波数帯の割り当てについて総務省は、新規参入や市場の活性化を目指すという観点から、既存の3Gキャリアには割り当てない方針としており、ウィルコムとアッカ・ネットワークスが有利と言われている(5月16日の記事参照)。
ただ、既存キャリアへの参入の余地も残されており、その場合は出資比率が3分の1以下の会社経由という条件付きとなる。ドコモは、「NTTグループと組んで参入を目指す。必要なら他の事業者と組むことも考えられる」(ドコモの中村社長)とし(7月19日の記事参照)、KDDIも具体策は未定としながらも参入の意志は固い(6月13日の記事参照)。イー・アクセスとソフトバンクは、参入に向けた施策の1つとして、共同で「Feasibility Study」(実行可能性、採算性、企業化調査)を行い、事業化の可能性を探るとともに、他キャリアにも参加を呼びかけている(6月21日の記事参照)。
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