災害時の携帯利用、不安なのはバッテリー切れと回線の混雑
ネプロジャパンとネプロアイティが、災害時の携帯利用に関する調査の結果を発表。災害時の情報入手手段は、Web、電話、メールの順で、不安を感じる点は約半数が“バッテリー切れ”と答えている。
ネプロジャパンとネプロアイティは9月28日、携帯電話のコアユーザーを対象に行った結果をまとめた、「携帯電話と災害 II」を発表した。調査は2007年9月6日と7日の両日、iモード、EZweb、およびYahoo!ケータイ版“ザ★懸賞”で実施したもので、有効回答数は3931人。
同調査によれば、災害時に携帯電話を利用して連絡を取ったことがある人は、全体の29%。そのうち「すぐ繋がった」と回答した人は21%、「繋がらなかった」は8%と、比較的連絡が取りやすかった様子がうかがえる。連絡方法は電話、メールが多く、携帯電話の災害用伝言板を利用したユーザーはわずかだった。
災害に情報を得る手段としては、「Web」が30%、「電話」が27%、「メール」が19%で人気が高く、「ラジオ」が8%、「ワンセグ」が6%と続いた。「携帯電話を利用しない」という回答は10%に留まっており、約9割のユーザーが災害時に携帯電話は有効な情報手段と考えているようだ。
今年8月30日から9月5日まで、「防災週間」として災害用伝言ダイヤルや災害用ブロードバンド伝言板が体験利用が可能だったが、「利用しなかった/知らなかった」という回答が6割を占め、ユーザーにあまり認知されていないようだ。
災害時の携帯電話利用で不安に感じることは、「バッテリー/電池切れ」が47%、「回線の混雑」が34%で上位を占めた。災害時に備えて携帯電話を利用した準備を行っているかについては、「特にしていない」が77%で最多となった。準備しているユーザーは、「GPS機能付携帯電話にした」「メールの配信登録」が各10%、「携帯電話の災害用伝言板の登録」が5%となっている。
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