連載

カメラ機能をまとめてチェック──「905iシリーズ」:人物作例編荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(5/5 ページ)

カジュアルにさっと撮れるのが特徴のケータイカメラ。そんなケータイカメラで利用頻度が最も高いシーンの1つが、恋人や友達を撮る「人物・ポートレート」撮影だ。905iシリーズ6機種で写す人物はどんな写りか、屋外と室内別に撮り比べた。

前のページへ |       

N905iの顔検出AFは、予想以上によくできていた

 では今回の目玉機能の1つである、N905iの顔検出AF機能をチェックしてみよう。

 顔検出AFは、2006年頃からコンパクトデジカメに搭載されはじめた技術。2007年秋にいたってはほぼすべての新製品に搭載されているといっても過言ではない流行の機能だ。

 メーカー別に機能や精度、速度に違いはあるが、その狙いは同じ。人物の顔を自動的に見つけて、そこにピントをきっちり合わせましょう、ということだ。優れたコンパクトデジカメは、人物にカメラを向けると、ほんの0.1秒ほどですぐに顔を見つけて、そこに四角い枠で顔の認識を示してくれる。

advertisement

 N905iは国内のケータイカメラで、はじめてこの機能を搭載した。

 ケータイカメラは本職のコンパクトデジカメと比べると、AF機能がまだやや弱い。しかし、これがあると人物撮影には絶大な威力を発揮するだろう。意図せず、背景にピントが合ってしまうというミスを大いに減らせるからだ。

 N905iは、オートと人物モードでこの顔検出AF機能が自動的に働くようになっている。カメラを向けると1秒くらい(本職デジカメに比べるとワンテンポ遅い)で顔を検出。検出された顔は四角い枠で示され、そこへピントを合わせてくれるという仕組みだ。

N905iの顔検出AF。顔を検出し、そこへピントを合わせる。精度はなかなか高い(左)。この状態で撮影したのがこの作例(右)

 もうすこし具体的に例を見ていこう。

このように人物が端にいる構図の場合、そのままAFさせると背景にピントが合ってしまう(フォーカスロックして位置を決めるなどの工夫が必要)。顔検出が働くと、きちんと顔にピントが合ううえ、明るさも顔に合わせてくれる
顔検出AFの有効/無効の違い 左:有効/右:無効。顔検出AFをオフ(撮影モードをオフ)にして撮ると右の作例のようになる。ピントや露出が背景に合ってしまい、顔が少しぼけぎみかつ暗く写ってしまった

 つまり、顔を検出してくれるまで少し待てば(ほんのちょっとでいい)、効果は絶大というわけだ。予想以上にしっかり働いてくれたので驚いた。

 この機能が優れているのはピントが合うのみならず、撮っていて楽しいこと。顔を勝手に見つけてくれるので構図も自由になるし、画面上の枠が顔を検出しようと追いかけるように動き回るのを見るだけで撮影するのも楽しい。人を撮ってるんだなぁという気分になる。よって、人を撮る機会も増えるだろうし、自分撮りの時も顔がフレーム内に入っていれば勝手に見つけてくれるので使いやすい(特にN905iは回転2軸ボディなので、メインカメラで自分撮りできる)し、観光地で背景付き旅行写真を撮るときも役立つだろう。

 ここまでできるのであれば、数年以内にハイエンドケータイのAF付きカメラにはすべて顔検出AF機能が搭載されるのではないかとわたしは思ってるのである。

 というわけで人物撮影は(室内では照明の関係で色がずれてしまう傾向もあるが)顔検出AF付きのN905iが楽しかった。そのほかSO905iやD905iも、自然な感じで悪くない絵を見せてくれたというところかな。


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.