アッカの木村社長が退任――イー・アクセスは株主提案を取り下げ
アッカは、社長の退任を含めた取締役の人事を発表した。筆頭株主のイー・アクセスはこれを評価し、経営陣の一新と経営改革を求める株主提案をいったん取り下げた。
アッカ・ネットワークスは2月21日、社長を含め3人の取締役が退任、4人を新任する人事を発表した。3月28日の株主総会で正式に決定する。アッカの筆頭株主であるイー・アクセスはこの人事を評価し、経営陣の一新と経営改革を求めた株主提案をいったん取り下げた。
今回、アッカが発表した人事は、代表取締役社長の木村正治氏が退任し、執行役員の須山勇氏が代表取締役社長及び最高経営責任者に就任するというもの。そのほか、取締役の湯英彦氏と佐藤元信氏が退任し、社外から塚本博之氏、山岡法次氏、山本宏義氏を迎える。塚本氏は、副社長執行役員に就任予定。
この人事を受けてイー・アクセスは、アッカに対する株主提案をいったん取り下げることを発表した。イー・アクセスは、アッカの発行済み株式のうち13.1%(1月16日現在)を保有する筆頭株主となっている。この株主提案は、減収減益が見込まれているアッカの経営陣を一新し、抜本的な経営改革を行うことを求めたものだ。
イー・アクセスは、「今回アッカ社が現経営陣である常勤取締役3名中2名を退任させることは、まさに経営体制の刷新を求める当社の株主提案が引き出した結果」のコメントを発表。2月14日にアッカが発表をした固定と無線ネットワークを融合する戦略も「新たな経営陣のもと事業を抜本的に建て直すとの、第2位株主NTTコミュニケーションズその他既存株主の意思の表れである、と受け止めます」と一定の評価をした。
しかし、イー・アクセスは「中間決算を期限に、新経営陣による事業計画の見直しを求めます。なお、今後の経営状況により、新たな対応を行なう可能性は否定いたしません」と、今後もアッカの経営を厳しくチェックしていく方針だ。
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