屋外実験で下り最大250Mbpsを達成――ドコモのスーパー3G
NTTドコモがスーパー3Gの屋外の実証実験で、下り最大250Mbpsのパケット通信に成功したと発表。基地局送信と移動局受信に最大4本のアンテナを用いた下りMIMO伝送で実現したという。
NTTドコモは、2008年2月末から開始した屋外におけるスーパー3Gシステムの実証実験で、下り最大約250Mbpsのパケット信号の伝送に成功したことを発表した。
同社では2008年2月から横須賀地区で、屋外のスーパー3Gシステムの実験を開始。基地局送信と移動局受信にそれぞれ最大4本のアンテナを使った下りMIMO伝送を採用し、周波数帯域幅は標準仕様の規定上最大の20MHz帯域幅を使用している。今回の発表は、この実証実験環境下で達成した。
スーパー3Gは、W-CDMAの高速化技術であるHSDPA/HSUPAをさらに進化させた標準規格で、上り最大75Mbps/下り最大300Mbpsの高速なデータ通信を実現する通信方式。4Gにも適用できるネットワーク構成を採用することから、ドコモでは“HSDPAと4Gの間を埋める技術”と位置づけている。ドコモの中村維夫社長は通信インフラの高速化について「2008年にはHSPAをスタートし、2009年にはスーパー3G、そして2010年には4Gへと移行していきたい」と話すなど導入を急ぐ考えで、基地局開発プロジェクトのベンダー選定も進めている。
同技術については、W-CDMAの標準化団体として知られる3GPPがLTE(Long Term Evolution)として標準化を進めており、すでに主要な標準仕様が承認されている。ドコモが行っている実験のシステムはLTEの標準仕様に準拠しており、ドコモは「得られた結果は商用システムの潜在的な実現性を示すもの」としている。
ドコモはこの実験の詳細を4月1日から米・ラスベガスで開催される「CTIA Wireless 2008」で紹介する予定だ。
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